- ホーム
- > 和書
- > 教養
- > ノンフィクション
- > ノンフィクションその他
内容説明
ぼくの名前はサラーム・パックス。ブログ中毒者だ―。アメリカ軍の攻撃にさらされ、破壊されていくバグダッドに暮らすあるイラク人青年。彼がサラーム・パックスという名でインターネット上に綴る日記に世界中からアクセスが殺到した。ブッシュ、フセイン、国連、アル=カーイダ、空爆、連合軍、奪略、占領下での生活…29歳のイラク人青年の日記には、すべてがリアルな素顔をさらけだす。ときに辛辣に、ときに感傷的に、ときにユーモアを交えて綴られる日記は、現在もバグダッドから配信されている。
著者等紹介
パックス,サラーム[パックス,サラーム][Pax,Salam]
バグダッドに暮らす29歳のイラク人青年
谷崎ケイ[タニザキケイ]
新聞社勤務をへて、実務翻訳、放送翻訳などをはじめる。現在は翻訳業に専念。北海道在住
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
なるみ
1
同性愛者でお酒が大好きで、ダンサー・イン・ザ・ダークが好きなバクダット在住サラームのブログを書籍にしたものらしい。面白かった!私がイスラム圏、それもイラクという土地や人々について何も知らないんだと気付かされた。「フセイン政権は倒すべきだが、イラクの人々は戦争を望んでいないし、湾岸戦争のあと戦争を避けてイラクを自由にする道があったはずだ」「アメリカが『ただ君たちが好きだから』という理由で僕らを助けるハズがない」 リアルで重い言葉だと思った。2011/08/02
アシ原
0
この一冊でイラクに対するイメージがどんどん剥がれていった。こんなに簡単な事だったのかと逆に呆れる感じ。 自分のなかのイラクが変わり、ある意味で今はサラームしかいないので、次はイラク人女性のブログ(バグダッド・バーニング)も読みたい。2015/05/24
ksk1975
0
現代版「アンネの日記」といったところか。戦争の描写もさることながら、片方の腎臓を売る臓器売買が日常に描かれていたりしてカルチャーショックを受けたりもした。当局の規制をかいくぐって戦地の市民の生の声が発信されてることはインターネット普及の「功」の面といえるかも知れない。戦争という重いテーマだったけど、ネットの力、市民の力には明るい兆しを感じた。2012/04/17
paco
0
流し読み。イラク人の青年のブログが書籍化されたものです。報道されているイラク、私のイメージのイラク、実際のイラクにはずいぶんと違いがあるんだなと思いました。マスコミの取材を受けているその隣に、警察が発言を見張っているなんて知りもしなかったです。もとがブログだということや翻訳になじめなかったりで、ちょっと読みにくいと感じる部分もあったけれど、ひとつ新しい世界を見ることができました。できればリアルタイムで読みたかった一冊です。2008/11/08
Maumim
0
シニカルにつづられるイラク戦時下のブログ。ブログの言葉は書籍になると読みにくいところもあるけれど、戦争の恐怖が実感を伴って伝わってくる。「戦後」がつい数年前のことでしかないイラク。平穏な日々が訪れるのにあと、どのくらいかかるのだろう。2010/11/07