出版社内容情報
医療は苦しんでいる人、困っている人を救って平常にもどしてあげるためのものだった。ところが次第に、ふつうよりも元よりももっと強く、もっと幸せになりたいという人間の欲望を満たすための医療が増えてきているのだ。伝統的な医療の目的が「治療」だったとすると「治療を超えて」医療が用いられる傾向が強まっている。このような医療の機能を「エンハンスメント」(増進的介入)とよんでいる。(「はじめに」より)
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【関連書籍】
『 システム現象学 』 河本英夫著 (定価4410円 2006)
『 資本主義黒書 上・下 』 R・クルツ著 (上巻6930円 下巻4620円 2007)
内容説明
驚異的進歩か、人類存亡の危機か。人間改造、遺伝子操作、エンハンスメントなど生命科学の進歩の現状をふまえて、その問題点を指摘し、議論の基礎的視座を提供する。
目次
1 生命倫理の文明論的展望
2 クローンと不老不死
3 エンハンスメントに関する小論―能力不平等はテクノ・エンハンスメントの正当化根拠になるか
4 心のエンハンスメント
5 肥満社会とエンハンスメント願望のもたらす悲劇
6 人口生殖は神の業への介入か―イスラムの視点から
7 先端科学技術による人間の手段化をとどめられるか?―ヒト胚利用の是非をめぐる生命倫理と宗教文化
著者等紹介
町田宗鳳[マチダソウホウ]
1950年、京都市生まれ。ペンシルバニア大学アジア・中東学部博士課程修了。哲学博士。専門は比較宗教学・比較文明学・生命倫理。広島大学大学院総合科学研究科教授
島薗進[シマゾノススム]
1948年、東京生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。専門は宗教学・近代日本宗教史・比較宗教運動論。東京大学大学院人文社会系研究科教授
鎌田東二[カマタトウジ]
1951年、徳島県生まれ。國學院大學大学院文学研究科神道学専攻博士課程修了。博士(文学)。京都造形芸術大学芸術学部教授。専攻は宗教哲学・日本思想史
粟屋剛[アワヤツヨシ]
1950年、山口県生まれ。九州大学理学部化学科卒業。医学博士(岡山大学)。専門は生命倫理・医事法。岡山大学大学院医歯薬学総合研究科教授
上田紀行[ウエダノリユキ]
1958年、東京生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得退学。専門は文化人類学。東京工業大学大学院准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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