出版社内容情報
本書の後半では、思考と記憶のメカニズムを中心に、認知神経科学の分野における最近の発展を織り込みながら、基礎的な知識をわかりやすく説明することを目指しました。脳ブームと言われ、脳に関するマスコミの扱いも増していますが、中には相当怪しげなものもあります。本書でも扱った右脳・左脳の問題、脳の可塑性、臨界期の問題、など、新たな発見が現在でも続いていますが、まだ私たちの日常レベルで生活の指針を与えるほどに直接的な知見が得られているとは言えません。さらに生きた脳の働きを見せてくれる非侵襲的脳機能測定法も、原理的にも方法論的にも、脳の「どこが働くか」については教えてくれるものの、「働き方」についてはわずかなことにか教えてくれないという事実には注意する必要があります。本書では、何は確実にわかっており、何は事実から推測されるものであるのかを区別するようにこころがけました(「まえがき」より)
-----------------------------------------------------
【関連書籍】
『 アナログ・ブレイン 』 M・モーガン著 (定価3780円 2006)
『 大脳皮質と心 』 J・スターリング著 (定価1890円 2005)
『 脳 回路網のなかの精神 』 M・シュピッツァー著 (定価5040円 2001)
内容説明
記憶の不思議、思考の醍醐味それを支える脳のしくみ。基本的知識から面白くて重要な話題まで、30のキーワードですっきり解説。
目次
1 記憶(エピソード記憶と意味記憶―思い出と知識;プライミング効果―無意識の記憶 ほか)
2 思考(物語文法―思考を支える枠組み;4枚カード問題と三段論法―演繹推論を左右する要因 ほか)
3 脳(前頭連合野―高次精神活動の中枢;海馬―記憶を司るところ ほか)
4 脳の働きを調べる(ウィスコンシン・カード分類課題―高次機能の障害を見分ける;fMRI―脳を傷つけずにその働きを知る ほか)
著者等紹介
横山詔一[ヨコヤマショウイチ]
国立国語研究所言語生活グループ長。横浜国立大学教育学部卒業、筑波大学大学院心理学研究科を中退。博士(心理学)。専門は社会言語心理学
渡邊正孝[ワタナベマサタカ]
(財)東京都医学研究機構・東京都神経科学総合研究所、参事研究員。東京大学文学部心理学科、同大学院を修了、文学博士。専門は生理心理学、認知神経科学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。