出版社内容情報
グラウンデッド・セオリー・アプローチとは現在看護学や医学、心理学、社会学などで盛んな「質的研究法」のなかでも特に広く関心を集めている方法で、簡単に言えば、現場から様々な生きたデータを収集し、分析して「理論」を創出しようとする方法です。では、実際はどうやるの? という初心者の渇望に応えて、その第一歩から理論生成にいたる全ステップを非常にわかりやすく説いたのが本書です。
質的研究のおもしろさは、データ収集やデータ分析の過程の中で、もともとの自分なら考えつきもしなかった“発見”にたどり着けることなのですから、はじめからみすみす可能性を狭めてしまうことは得策ではありません。………先に述べたようにグランデッド・セオリー・アプローチは、データに根ざした理論(grounded theory)をめざしているので、当然のことながらデータの内容をとても重視します。あらかじめ自分が持っているテーマや関心に沿った分析をおこなうのではなく、データを読み込み、データの中から現象を構成しているものを探し出そうとするのです。ですから、自分の偏見を可能な限り排除して研究対象者の立場に立ち、その人は対象や出来事をどうとらえているのか、どう関わっているのか、それによって状況はどう変化するのか(またはしないのか)を検討することが重要なのです。(「グランデッド・セオリー・アプローチの特徴」より)
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【関連書籍】
『 ワードマップ エスノメソドロジー 』 前田泰樹ほか編 (定価2520円 2007.8月)
『 増訂版 フィールドワーク 』 佐藤郁哉著 (定価2310円 2006)
『 定性データ分析入門 QDAソフトウェアマニュアル 』 佐藤郁哉著 (定価2310円 2006)
【新 刊】
『 質的心理学の方法 -- 語りをきく 』 やまだようこ編 (定価2730円 2007.9月)
内容説明
多様で異質なデータから概念を抽出し理論へと至る過程を、ステップごとに懇切に解説。
目次
1 質的研究とグラウンデッド・セオリー・アプローチ
2 グラウンデッド・セオリー・アプローチの分析の流れ
3 リッチなデータの捕獲
4 見えない概念を把握するための技法
5 データとの距離のとり方
6 理論を生みだすまで
7 さいごの詰め
8 よくある質問と答え
著者等紹介
戈木クレイグヒル滋子[サイキクレイグヒルシゲコ]
1994年、カリフォルニア大学サンフランシスコ校博士課程修了。看護学博士。首都大学東京健康福祉学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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