私の身体は頭がいい―非中枢的身体論

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  • サイズ B6判/ページ数 214p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784788508477
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C1010

出版社内容情報

 『「おじさん」的思考』(晶文社)『寝ながら学べる構造主義』(文春新書)などで、ただいま大ブレーク中の内田樹氏の身体論・武道論をお届けします。「合気道の練習のあいまにフランス思想を教えている」と自ら公言する著者は、レヴィナス研究者であるより先に武道家なのです。そのような永年の修業と哲学研究が合体して出来上がったのが本書です。「敵に勝つためには勝つことを忘れなければならない」「心と体をバラバラに使え」「驚かない人は驚かされる」など、武道を「よりよく生きるための技術」と考える著者の数々の「体見」(知見ではなく)に新鮮な驚きを味わい、身体を覚まされます。序文に甲野善紀氏。

 形稽古は、不安、恐怖といった「居つく」ための心理的要素を排除した「理想的身体操作」をまず与え、攻撃に対する「最速・最小・最短」の身体操法はいかなるものかを、身体に覚え込ませる訓練である。「理想的状態」においてのみ可能な「理想的身体操作」をまず「形」として確立し、その「体感」を身体が記憶してゆくのである。その結果、(原理的には)どんな状況にあっても、ある刺激が与えられれば、自動的に起動する身体図式が形成される。澤庵の言葉でいえば「手足が覚え候へて、心は一切入らぬ位」という境地がこれに当たる。  本人、木鶏のように、無感動に機械的に刺激に反応する身体。ある身体刺激に対して、それがどういう「コンテクスト」で行われているのかという「意味」を一切無視して、刺激だけにオートマティックに反応する身体。それが「武道的身体」のひとつの理想である。(「Ⅱ武道的身体論 木人花鳥」より)

内容説明

いま武道が熱い!日本最強“運”武道家の痛快エッセイ。武術とは、人間が本来もっている可能性を開花させて「よりよく生きるための技術」である。レヴィナスの研究者でもある著者の永年の修業に裏づけられた「身体の思想」。

目次

1 武道に出会う(武運の人;師弟関係について ほか)
2 武道的身体論(非中枢的身体論―武道の科学を求めて;木人花鳥―武道的身体論)
3 私の身体は頭がいい(私の身体は頭がいい;オリンピック ほか)
4 医療に出会う(インタヴュー・コミュニケーションとしての医療―ナースのミッション)
終章 響く身体

著者等紹介

内田樹[ウチダタツル]
1950年、東京生まれ。東京大学文学部仏文科卒業。東京都立大学大学院博士課程(仏文専攻)中退。東京都立大学人文学部助手を経て、現在、神戸女学院大学文学部教授。専門は、フランス現代思想、映画論、武道論
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Yukicks

19
自我がなくなったら最強っていうのが面白いな。。。 最強とは戦わないことというのも興味深い。 自分のセンサーを高め、戦わない場所をかぎ分けること。 生死の極限状態で生き残るということをしシビアに考えた術の深さなのだろう。 自我があると相手に読まれる動きになる。どうしても連続的に身体が動いてしまい、読みやすい動きになってしまう。 相手に悟られないように動くには自分がマリオネットのように無限の糸でつるされたように動く。そのようにすれば、相手は予測ができない。赤ん坊のように動く。 2013/03/28

玖良やまだ

2
非中枢的身体論ではなく非大脳的身体論としたほうが良いのではないだろうか? 後半はページをめくっただけだった。2016/08/03

烟々羅

1
未読の棚に入れていたが、今日1月8日に手にとってよく見たら全部読んでいた。内田樹固め読みの四冊目の記録。 看護婦をやっていた女性友人に伝えたいと思った付箋が四ヶ所ついていた2011/12/30

shunkichi

0
M図書館。武道の修行者はあまり伝書の類いを読まないほうがいい。「極意」にかぶれる。など2013/08/11

日々珠

0
私の読書生活に決定的なくさびを打った爆笑腰砕けの本。真面目な題材で漫画より面白ければ、こりゃーこの人を追っかけていくわ、この人が勧める世界も追っかけるわ、と決意した。特に効いたのは悪人の自覚。

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