出版社内容情報
《内容》 改訂第三版の序
腎臓内科レジデントマニュアルの第3版を上梓できたことを嬉し
く思う．本書の初版は2000年であるが，本格的な臓器別診療，新研
修医制度の到来を受け，腎臓内科で研修する研修医のために執筆し
たものである．多忙な研修医が本書を利用することにより腎疾患の
概念を効率よく把握し，かつ実際に治療を行うことができるように
記載した．特に教科書に書かれていない診療のコツを教えることに
も努めた．幸い初版，第2版ともに好評を受けたが，年々変貌する
腎臓内科学をベッドサイドにハンディに持ち込めるように今回新た
に改訂することとした．
第3版では，いくつかの大きな改訂を行った．まず，膠原病に関
する章の記載を充実した．また，新たに出てきた概念である血栓性
微小血管障害(溶血性尿毒症症候群と血栓性血小板減少性紫斑病)や
パラプロテイン腎症に関する記載を加えた．さらに腎疾患に関連す
る骨症の重要性をまとめて，ステロイド骨粗鬆症，保存期腎不全か
ら透析期までの腎性骨症について一貫性をもたせるために一つの章
を与えた．そして，2年間研修期間に小児腎疾患を診ることを念頭
において，小児腎疾患の章を東京大学の五十嵐隆教授に執筆いただ
いた．また，各章に最新の知識と治療に関するエビデンスをできる
限り記載した．これらの改訂により本書は一層充実したものになっ
たと確信している．
本書を活用することにより腎臓内科での研修がより充実したもの
となることを期待したい．また，腎臓内科学に興味をもつ研修医が
出てくれば望外の喜びである．
平成16年 初夏の宝塚にて
大阪大学医学部腎臓内科科長 今井 圓裕
《目次》
１．水・電解質異常とその治療
２．酸・塩基平衡異常とその治療
３．急性腎不全の診断と治療
４．主な糸球体疾患の特徴・治療方針
５．膠原病とその近縁疾患に伴う腎疾患
６．血栓性微小血管障害
７．Paraproteinemiaによる腎症
８．糖尿病性腎症
９．尿細管・間質疾患
１０．多発性嚢胞腎，腎性尿崩症
１１．尿路感染症
１２．腎疾患における血圧管理
１３．保存期慢性腎不全の診断と管理
１４．血液浄化法
１５．慢性透析患者の管理
１６．腎疾患患者の骨病変の予防と治療
１７．妊娠と腎
１８．小児腎疾患診療のポイント
１９．腎疾患の検査法
２０．腎生検の手技と患者管理
２１．腎疾患治療薬の使い方のコツ
２２．腎機能低下時の薬剤の投与量調節
２３．付録
目次
水・電解質異常とその治療
酸・塩基平衡異常とその治療
急性腎不全の診断と治療
主な糸球体疾患の特徴・治療方針
膠原病とその近縁疾患に伴う腎疾患
血栓性微小血管障害
Ｐａｒａｐｒｏｔｅｉｎｅｍｉａによる腎症
糖尿病性腎症
尿細管・間質疾患
多発性嚢胞腎、腎性尿崩症〔ほか〕
著者等紹介
今井円裕［イマイエンユウ］
大阪大学医学部腎臓内科科長
藤井正満［フジイマサミツ］
大阪厚生年金病院内科部長
伊藤孝仁［イトウタカヒト］
大阪大学医学部腎臓内科
和泉雅章［イズミマサアキ］
兵庫医科大学総合内科腎透析学講師
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
