内容説明
生涯にたった一冊の詩集を残した詩人である父親と、フォークの吟遊詩人・高田渡の物語。盟友・中川五郎の「ライナーノーツ」を付す。
目次
明治の男、祖父高田馬吉の話から
燃えながら燻っている炎みたいな青春
この道の端れに明日はあるのかい
三代にわたる戦争嫌いの血筋
国敗れて山河あり、郷里北方での再出発
引越し貧乏一家の東京巡礼
深川ニコヨン・ブルース
「東京の穴」に墜ちた、父と息子たち
高田豊の死と四人の息子たちの巣立ち
父と仲が良かった佐賀の叔母さん
自転車に乗って駆け抜けた肥前鹿島の日々
フォークの吟遊詩人の旅立ち
骨壷と花瓶―アディオス、渡!
疾風怒涛の京都フォークリポート
夕暮れに仰ぎ見る“私の青空”
著者等紹介
本間健彦[ホンマタケヒコ]
1940年、中国東北部(旧満州)生まれ。エディターズスタジオ「街から舎」主宰・ライター。『話の特集』編集者を経て、『新宿プレイマップ』編集長(1969‐1972年)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kinkin
21
「生活の柄」とは高田渡の作った曲。作詞は詩人、山之口漠。初めて聴いたとき感じたのは、なんと1920年代~1930年代にかけてアメリカにいたホーボーと呼ばれる人達に似ているなと思ったこと。この本を読むとどおりで、彼はピート・シーガーやウディ・ガスリーに強い影響を受けている。そしてこの本には、彼を知る人へのインタビューと共に高田渡とその父、高田豊の人生が綴られている。読んでみると、確か彼らは「生活の柄」そのものの生き方を貫いたのではないか。「フォークの吟遊詩人」と称された高田渡。9年前に56歳で逝った。2014/08/08
kera1019
3
52歳で嫁と死別、四人の子供を引き連れてアテもないまま上京って… その後の東京の暮しを読んでると余りの酷さに驚く。その淪落した生活と当人の必死さが書かれてるけど、何処か呑気な感じが漂う。その空気感がその後の高田渡にも受け継がれてるのが読み取れて高田渡史として面白い一冊でした。 2013/02/05
慶多楼
2
この父にしてこの子あり。いや、ゆうても当事者たちは大変だったと思うよ。2010/08/21
りょうけん
1
☆3つ 2013年のっけの一冊は・・・やはり高田渡カンケーでした。ドダ!いいだろぅ♫ (中略) あと、この本は非常に字が詰まっていて、読めども読めどもなかなかページが進んで行かない。 200冊/年読破かけこみ達成のために、昨年暮れにガシガシと読んだ三谷幸喜『ありふれた生活』にくらべると、その中身の濃さは100倍くらい違うであろう。要は『ありふれた生活』などは『生活の柄』という名作とは比べてはいけないほど低俗なものだというのが結論なのだ! あれ? すまんこってす。すごすご[m:237]。2013/01/02