内容説明
セーヌ河に投身自殺した西ドイツの最も優れた詩人の、強制収容所体験を踏まえた詩選集。
目次
罌粟と記憶
閾から閾へ
ことばの格子
誰でもないものの薔薇
息のめぐらし
糸の太陽たち
迫る光
雪の区域
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かふ
17
「死のフーガ」確認のため。難解です。「死のフーガ」はいい。ゲーテ「ファウスト」のイメージとアウシュビッツ。踊り狂って「詩のフーガ」になればいい。2023/06/18
riviere(りびえーる)
16
戦争と喪失の20世紀を象徴する詩人パウル・ツェランの詩集。両親をアウシュヴィッツで失い、その後1970年に自ら命を絶つ。彼の詩には、常に絶望と悲しみが漂い、調べも翻訳の日本語も美しい。難解にもかかわらず心惹かれる。今回は「つぶらなるものら」「あらかじめはたらきかけることをやめよ」「立っていること」「ケルン、中庭で」が心に残った。『心の傷を癒すということ――大災害と心のケア』の安克昌氏愛読詩人としても知られている。2020/03/07
つだしょ
3
7/7の今日、ベストタイミングで読んで、奥のほうに深く杭を打ち込まれた。詩は盲点だった。ツェランの作品にはあの気配がして、親近感がわく。詩を読むのに背景知識も大事だろうが、個々人のタイミングも重要。昔は、つかわれている具象名詞の意味がわからなかったので、詩が苦手だった。今は、もっとプライベートな領域に引き込むことができるうえ、それらが自分だけのものになる。とても深い場所をコツコツとたたかれて、音というよりはふるえが感じられる。詩。2012/07/07
ashigaru99
0
あまりピンときませんでした・・・2011/03/06