内容説明
「詩は表現ではない」…なぜか?「これから本気で詩を書こうとする者は、なぜそうなのか、じっくり考えてほしい」と野村喜和夫氏は解説で強調する。構造を解明することにより、曖昧にされてきた詩の書法をはじめて明示した問題提起の書。
目次
手もちの材料と道具の点検
詩は表現ではない
作品の構成の素材は単語だけではない
詩が、主として語のイマージュに依存するという考えは不適当であり、同様に、比喩(直喩・暗喩)に主な拠り所を持つという説にも、無限定には同意できない
個々の要素の持つ意味の重層性や潜在的情動力は、適切な構造の中にところを得て、はじめて発揮される
擬物語詩は、あり得べき詩作品の構造の一つのタイプである
なぜ詩の構造を云々するのか
基本的な諸問題についての雑然たるメモと、そのまとめ
作品とその要素(素材)
素材としての言葉のありよう〔ほか〕
著者等紹介
入沢康夫[イリサワヤスオ]
1931年島根県松江市生れ。東京大学文学部仏文科卒。1955年大学在学中に詩集『倖せそれとも不倖せ』を出版。以後、詩集に『季節についての試論』(1965年、H氏賞)、『わが出雲・わが鎮魂』(1968年、読売文学賞)、『死者たちの群がる風景』(1982年、高見順賞)、『漂ふ舟』(1994年、現代詩花椿賞)など多数。詩論集に『詩の構造についての覚え書』(1968年)、『詩的関係についての覚え書』(1979年)、『詩にかかわる』(2002年)などがあり、実作のみならず理論面でも戦後‐現代詩に大きな影響を与える。宮沢賢治、ネルヴァルなどの研究でも名高い
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