感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あ げ こ
12
言葉より言葉が生まれ、増殖して行く。短く不規則な間隔で言葉は生まれ、速やかに移行して行く。生まれては生み、生まれては見えなくなり、時にまた生まれ、甦る言葉。いずれも言葉は足場となる。到達する為の。土台ではなく。足場。次の言葉に進む為の。足掛かりとなる。巡り行く為の。繰り返す為の。駆け上がる為の。足場となる。言葉が増殖し、移行し、甦り、また新たに誕生し行く凄まじさ。奔流。生の奔流。死の奔流。残酷さの奔流。欲望の奔流。快楽の奔流。熱の奔流。狂気の奔流。腐敗の奔流。激しく、艶かしく、鮮烈であり、くらくらとする。2017/05/09
misui
5
声つまり身体性を得た詩は、その陶酔を、狂気をも引き入れて、幻想世界へと突入していく。聖なる淫者であり巫女である詩人の歩みは長い旅と化し、詩は否応なく長篇となる。詩人のパワフルな歩調に合わせて読むなら感興もあろうが、体力のない自分はいささか置いてけぼりを食うことになった。2014/07/12
里馬
4
初長編詩。なかなかリズム掴むまで大変だった。相性合わんのは仕方ないけど、折角だと思って読み込んでいくうちに不思議と面白く感じていくスロースターター。古い方も読みたい。現代詩文庫はやっぱりいい。2010/11/22
午後
2
エッセイ、詩人論・作品論まで含めて、『新選白石かずこ詩集』とほとんど同じ内容だった。2023/04/24
なかたつ
1
初期の短詩から詩形が脱し、ほとんどが長編詩。だが、退屈ではない。淡々と語られる男と女にまつわる物語、そして、複層化していくイメージ。男は時に一艘のカヌーとなる。それと、15人の兄弟にまつわる詩は、吉岡実の僧侶を想起させた。この詩集に収められた長編詩についてはエッセイ「長編詩に挑むもの」で書くにあたっての心得が記されている。その1行目から圧巻だ。「最初に予感がある。」白石さんは早熟な詩人である。大学在学中に第一詩集を出している。その詩集の名になぞられて、「言葉が降る人」。2013/09/10
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- 和書
- 二十四時間