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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
どぶねずみ
26
新聞の書評欄にて、他作の書評のなかに本作がチラッと紹介されてるのを見たので読んでみた。本作と似ていると評されていたその作品は、きっと言葉を上手に使って、説明を細部まで怠らない作品なのだろうと想像する。本作にはストーリーはない。世の中には「言葉では上手く説明できないこと」が多いけれど、まさにそんな説明を集めたもの。いや、それは谷川さんの説明だから、ほんの一例というべきかもしれない。ストーリーがないので面白いわけでものめり込めるものでもないけれど、言葉を上手に使いたいと感じた作品だった。2021/02/23
深田水松
4
言葉に肉薄した実験詩集です。「りんごへの固執」が良いです。2014/08/19
バグマン
4
詩がなんなのか、前々からよく分からなかったけれども、これを読んでなおさら分からなくなった。ここに書いてあるものは主に、目の前に存在するもの(それが現実のものとは限らないが)の明晰な描写なのだ。それがそこに存在するに至ったすべての経緯と、それが存在することによって引き起こされたすべての可能性とが、思わず笑ってしまいそうなほどの丹念さで描写されている。「そこにコップがある」という状態に詩を見てしまう谷川さんの脳内はどんなことになってるんだろうと思う。2013/10/12
午後
3
言葉に何が言えるか、あるいは何が言えないか。その境目を、指でなぞるように地道に、丹念に探っていく実験作。教科書に載らない方の谷川俊太郎だが、このような作品でもとっつきやすさ、キャッチーさを失わないところに、彼の職業詩人としての凄みを感じる。2018/11/17
31ct.
3
面白かった。こころを弄ばれ、「ほら、楽しいだろう」と笑われた気がした。ページを繰るのがもったいないと思い、何故だか生きるのを急ぎたくなる本だった。読み終わったら、たんぽぽの種がひとつ頬をかすめた気がした2011/02/27