内容説明
本場は人工知能研究者として著名なウィノグラードと経営科学者のフローレスが、人工知能を現象学、生物学、言語理論などに依拠して根底から間い直す。さらに言語行動を媒介する道具としてのコンピュータシステムの新しい設計理念を示したもの。なお本書はアメリカ情報科学学会から1987年度の最優秀著書に選ばれている。
目次
第1部 理論的背景(序論―デザインと伝統;合理主義的伝統;理解と存在;生物現象としての認知;言語、傾聴、コミットメント;新しいオリエンテーションへ向けて)
第2部 計算、思考、そして言語(コンピュータと表現;計算と知能;言語を理解する;現在の人工知能の動向)
第3部 デザイン(マネージメントと会話;コンピュータを使う―新しいデザインの方向)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
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出版時(1986)はコンピュータ批判と評された本書は、マンマシン・インターフェースとしてコンピュータとの関わり(インタラクション)をデザイン概念から捉えなおしていた。この概念はシステム設計より広く行為に関わるとする著者は、従来の合理主義的言語理論、意志決定理論、認知科学を批判し、「理解と創造の相互作用」を説明するために哲学(ハイデガー)、生命科学(マトゥラーナ)、言語行為論(オースチン、サール)を動員する。計算機言語学専門の著者は、コンピュータがある生活世界でのダイナミックなデザイン性に注目したのである。2017/04/08