内容説明
脱構築=ディコンストラクションとは、単にテクト解釈の方法ではなく、西洋哲学を支配してきたロゴス中心主義の批判である。本書はこの見地から、アリストテレス=カントの古典的「形式」概念をふまえつつ、現象学の脱構築者デリダと、分析哲学の脱構築者ウィトゲンシュタインとの交響をみごとに描き出し、彼らのテクスト的実践から、エクリチュールの新たな論理と倫理とを引き出そうと試みる。意味と時間、記号と規則、言語行為と意図、レトリックと演劇、法と死など多彩なテーマをめぐって考察を展開する、現代思想の哲学的最深部への導きの書。
目次
序論 形式から「差延」へ
第1部 意味と時間(現象学のテクストにおける脱構築の開始;ウィトゲンシュタインは脱構築する)
第2部 同一性との法と汚染の法(「私は今、彼をだますことにしよう」;レトリック、演劇、死;法の堅固さ)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
代拿邁人☆
1
デリダ入門書、現代の哲学への手引きとして1番いいかも。序章の哲学史理解と、第一章のフッサールとデリダの関係とまとめがとても参考になったし、それによってそれ以降の議論もクリアに読めた。2023/11/10
無人島
1
堅実なデリダ解説書。第一部において「差延」を現象学方面から扱っている。ここを咀嚼出来れば良い。第二部で扱われる「デリダ=サール論争」は他入門書解説書で補完出来るもので、大したことはない。2012/08/08
hal_7
0
個人的には第一部が特に有益だった。2012/06/27
はるしにゃん
0
デリダとサールの論争についての章が解りやすかった。基本的にはデリダ入門の本だと思う。2012/04/23
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