内容説明
本書は、距離空間と位相空間を、ユークリッド空間に関する知識を基礎に、できるだけ丁寧に解説した入門書である。位相的性質をコンパクト性と連結性に絞り、これらを距離空間と位相空間の両方で、重複を厭わずに、書き込んだ。
目次
1 基礎事項(集合;写像;2項関係 ほか)
2 距離空間(ユークリッド空間;距離空間;距離空間の開集合・閉集合 ほか)
3 位相空間(開集合・位相・位相空間;位相空間上の連続写像;開基・可算公理 ほか)
著者等紹介
鈴木晋一[スズキシンイチ]
1965年早稲田大学理工学部卒業。現在、早稲田大学教育学部教授。理学博士
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感想・レビュー
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Z
3
数学の本を読んでいると、練習問題に、それ本文の中で解説してくれよと、重要なのか些末なことなのかわからない事項が出てきて戸惑うことがあるが、著者は脇道にそれないように、コンパクト性と連結性に絞って集合論から位相に橋渡ししていて、わかりやすい。同じことの定義を集合論、解析や位相の三つの視点から定義しなおしており、かなりポイントを絞った基礎的な教科書だと思う。こういう工夫凝らした著作は大好き。位相空間論に迷ったら読んでみるべき著作と思う。2017/02/23
Nil
0
前著「ユークリッド空間の位相」の続きとなっている。前の復習を少し兼ねてから本題に入る。スタイルは前と一緒で丁寧に書かれてある。位相空間(並びに距離空間)について基礎的な事項に終始していると思われるため、位相空間のもう少し突っ込んだ内容なり話は他書に当たられたい。しっかり読めば、位相の基礎は一通り身につくだろう。