目次
第1章 豪雨災害―逃げるべきか逃げざるべきか?(その土地にとっての大雨;“空振り”と“素振り” ほか)
第2章 地震災害―南海トラフ地震に備えて(南海トラフ地震の「臨時情報」;DYFIプロジェクト ほか)
第3章 津波災害―3.11を繰り返さないために(津波避難訓練支援アプリ「逃げトレ」;津波避難のリグレット・マップ ほか)
第4章 災害心理―「わかったつもり」の一歩先(何とかバイアスでわかった気にならない;コロナ禍での学び ほか)
著者等紹介
矢守克也[ヤモリカツヤ]
1988年大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程単位取得退学。博士(人間科学)。現在、京都大学防災研究所巨大災害研究センター教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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いーたん
26
自然災害に対して人間や社会の準備や反応、被災後の回復過程など、防災心理学に関する事柄が、グランデ、トール、ショートと言った三種類の長さのエッセーにまとめられている。著者は阪神大震災の頃からずっと現場に通い続ける第一人者だが、わかりやすい事例と鋭い洞察でぐいぐい読めました。空振りではなく素振り、ふだんとまさかをつなぐ、想定外と向き合う、災害にも強いまちづくり…いずれも、ハッとさせられることばかり。現場に寄り添いつつ、抽象化しすぎない、その絶妙の距離感に、凄みすら感じました。名著です。多くの人に読んでほしい。2021/05/06
毛利武良
8
☆☆☆☆☆ 地方自治体から国会まで、議員は全員読んでくれ。子供に教育するのも大事だって。子供がいる家庭は大人も変わるから。地震もコロナも本気で対策しようよ。我が家も見直さなきゃね。2021/04/27
Go Extreme
3
豪雨災害―逃げる・逃げざるべきか:空振り・素振り 避難スイッチ フォーワードとバックワード オープンサイエンス 記述文・遂行文・宣言文 地震災害―南海トラフ地震:臨時情報 DYFIプロジェクト 拡張・発展的復興と縮小 オープンサイエンス IoTと地震防災 津波災害:逃げトレ リグレット・マップ 訓練と本番のねじれ フット・アウト・ザ・ドア ナッジorジャッジ 災害心理―わかったつもりの一歩先:もうとまだの綾 想定外 スモールワールド 立て直し・世直し・やり直し ポスト・トゥルース社会における災害流言2021/03/30
takao
1
ふむ2022/05/16
Neuroticism
0
荒削りな本だけど切り口は面白かったです。何より防災は東京に住む自分にとっては生死にかかわるので重要。南海トラフ地震が30年以内に来る確率は70~80%。この情報をもとに、十分な防災のアクションをとっているか? 情報が示されているにもかかわらず備えない、被災時の非合理的な判断、行動、被災しないがそれを見ている周囲の人間の振る舞いとパターンなどが扱われている。この本で防災のための具体的なアクションは示されないが、自分に潜む非合理的な認知を把握することで備えるモチベーションは上がるかも。2023/11/18