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内容説明
慶留間の島(沖縄県)に、可愛とよばれる、たいそうかわいらしい女の子がおった。なんでもおぼえるまことかしこいふしぎな子だと、ひょうばんだった。ところが、七つになるたんじょうびの朝、可愛はとつぜん、オタキ山にむかって走りだした。
著者等紹介
代田昇[シロタノボル]
1924‐2000。長野県下伊那郡に生まれる。太平洋戦争中、沖縄で住民に命を救われる。旧制愛知大学卒業後、東京公立高校・中学校の教員を経て、都立教育研究所有三青少年文庫で子どもの本と読書の実践活動に携わる。退職後、別府大学短期大学部教授、中国・松花江大学客員教授。1967年に仲間と「日本子どもの本研究会」を創設し、事務局長に就任。1988年、同研究会会長となる
赤羽末吉[アカバスエキチ]
1910‐1990。東京に生まれる。1959年、日本童画会展で茂田井賞受賞。1965年『ももたろう』(福音館書店)、『白いりゅう黒いりゅう』(岩波書店)でサンケイ児童出版文化賞、1968年『スーホの白い馬』(福音館書店)でサンケイ児童出版文化賞、アメリカ・ブルックリン美術館絵本賞、1973年『源平絵巻物語・衣川のやかた』で講談社出版文化賞、1975年『ほうまんの池のカッパ』(銀河社)で小学館絵画賞、1980年国際アンデルセン賞・画家賞を受賞。他受賞多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヒラP@ehon.gohon
20
沖縄の不思議な昔話です。 神に選ばれた男と女が夫婦となって、産まれたのは天女だったのです。 龍の背に乗って、大和の海賊を退治するところは、赤羽さんの絵の効果もあって、大絵巻のように感じます。 設定につかみどころのなさも感じるのですが、不思議な魅力のあるお話です。2018/05/01
ふじ
18
勝手に赤羽末吉月間。沖縄の昔話。神さまに救われ結ばれた夫婦。その娘、目覚ましい成長を見せる彼女は実は神の使いだった。竜と共に姿を消した彼女が島を救うお話。沖縄の言葉って雰囲気が丸っこくてかわいい。日常に神や人ならざる者が自然に存在する空気、いいなぁ。2020/09/07
クラムボン
14
沖縄慶良間(けらま)諸島の物語。沖縄本島の若い男女が夢で天女からお告げを受けて、慶良間諸島のはずれの慶留間島(げるま)で暮らすことになる。可愛(かなー)という娘を授かる…が、七つの年になると黄金色の龍の背中に飛び乗って消えてしまう。何年か過ぎたころ突然、大和の海賊が押し寄せ、略奪や人さらいが起こる。そこに現れたのが、龍に乗った可愛なのだ。沖縄がどこにも支配されていない平和な時代の話かな、と想像する。赤羽末吉は、中国少数民族や種子島、そして沖縄慶良間島、きっと辺境の民族が好きなんだろうな。2021/05/16
いっちゃん
13
沖縄の民話?可愛い娘と、幼いうちに別れなくてはいけないのはつらいけど、みんなの島の守り神になったと思えば、救われるのかな。2018/05/16
izw
13
児童書の新着コーナーで、久しぶりに赤羽末吉の表紙を見つけたら、1974年銀河社から発行された絵本の復刊でした。沖縄を舞台とした物語ですが、沖縄に伝わる民話を元にしているのでしょうか。赤羽末吉の絵本はかなり読んでいますが、これは初めて読むような気がします。2018/04/26