内容説明
きょうというひのちいさないのりがきえないようにきえないように…アストリッド・リンドグレーン記念文学賞受賞作家からの贈り物。
著者等紹介
荒井良二[アライリョウジ]
1956年山形県生まれ。絵本作家・イラストレーター。『うそつきのつき』(内田麟太郎・文/文溪堂)で小学館児童出版文化賞、『なぞなぞのたび』(石津ちひろ・文/フレーベル館)でボローニャ国際児童図書展特別賞。『森の絵本』(長田弘・文/講談社)で講談社出版文化賞絵本賞を受賞。絵本作品のほか、イラストレーション、小説の装画、挿絵、絵本創作を中心としたワークショップ、広告、舞台美術、アニメーションなど幅広く活躍。2005年、第3回アストリッド・リンドグレーン記念文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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シナモン
163
図書館本。世界中の今日という灯が消えませんように。明日もまた平凡な、でも特別な今日という日が始まりますように。太陽の光、ろうそくの灯り…荒井良二さんの穏やかな絵の中に希望を見出だせるような一冊でした。今日という日を大切に生きよう。2020/04/02
masa@レビューお休み中
131
今日という日に…。繰り返す少女の言葉に、ぼんやりとした何かが胸に去来します。雪が降った翌日に、少女はちいさな雪の家を作ります。ひとつ、またひとつと作り上げていきます。そして、そこに一本ずつロウソクを立てていくのです。雪景色の中に、ほのかなロウソクの明かりが灯っていきます…。少女は、あくまで今日という日にできることをしているだけ。明日ではなく、今日できることを精一杯やり遂げているだけなんですよね。そうやって、日々のできることを積み重ねていくことが、何よりも大切なことなんだなということに気づかされるのです。2014/03/24
Kawai Hideki
102
夜のうちに一面に雪が積もった白銀の世界。夜明けとともに、一人の少女が「きょうというひ」に着るために編んだセーターや帽子、マフラーを着て、ロウソクに火をともす。家の外でも雪で小さな祠をたくさんつくり、火をともしたロウソクを置いていく。「きえないように、きえないように」とつぶやきながら。「きょうというひ」がどんな日なのか、何のためのロウソクなのかは何も説明が無いが、静かで厳かな祈りと決意がこもった絵本。娘も「きえないように、きえないように」と繰り返していた。2014/11/29
Hideto-S@仮想書店 月舟書房
94
〈今日〉という日はどんな日でしょう。昨夜降った雪を朝日が照らして、新しい一日が始まります。物語の主人公の少女にとっては特別な日のようです。灯したろうそくの火がきえないように きえないように……。小さな祈りがきえないように きえないように。赤と黄色に彩られたカラフルなのに静かな絵本。荒井良二氏の繰り返し言葉には〈言霊〉の響きを感じます。2度と戻らない〈今日〉という日を丁寧に生きようと思えてきます。2015/05/20
おくちゃん🌸柳緑花紅
73
きょうというひはかけがえのないひ。きょうというひのために用意して、きょうというひのためにローソクを灯し、きょうというひをてらします。きょうというひを照らす灯りが消えないように…。そしてまた新しいきょうというひのためにローソクを灯すのです。ローソクのひかりに祈りを込めて。新しい朝、きょうというひを迎えます。明日も明後日も毎日がきょうというひ。炎を消さないようにゆっくりと優しく今日を生きていこう♪2015/05/23