内容説明
東日本大震災で犠牲になった動物たちの数は、正確に把握されていません。なくなった動物たちの命も、その命を想う人にとっては、等しく大切な命でした。これは、ミニチュアダックスフントのチョビと家族の物語です。
著者等紹介
うさ[ウサ]
画家・絵本作家。日本児童出版美術家連盟会員。愛知県出身。2001年、初めて創った絵本『ひとやすみ』が絵本コンテストで大賞を受賞。絵画と共に、絵本の創作をするようになる。2006年、イタリアのボローニャ国際児童図書展に参加。海外での絵本出版やアート活動を始める。2011年3月におきた東日本大震災のボランティア活動のため、宮城県の沿岸部を訪れ、「震災で消えた小さな命展」の開催を決意(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Hideto-S@仮想書店 月舟書房
111
「命に順番がない世の中を願って」。あの日、波にさらわれたえちゃんと別れてしまった犬のチョビ。一緒に流されたお母さんは、何度呼びかけても目を覚まさない。チョビはたえちゃんを探すため、真っ暗な海を泳いで陸地を目指します。海で出会った人や動物たちはお母さんのように眠ったまま。たえちゃんの匂いを辿って、チョビはひたすら走りますが……。震災で犠牲になった動物たちの絵を展示する『震災で消えた小さな命展』を各地で開いている絵本作家のうささんが、展覧会で出会った飼い主さんの話を元に描いた物語。2014年3月初版。2016/02/25
ぶんこ
59
「震災で消えた小さな命」を考えさせられる絵本でした。あとがきに「命はすべて救うもの。命に順番のない世の中になること」とありました。小さな命の家族ではない人にとっては「想定外の大震災なのだから仕方がない」で割り切れるのでしょうが、家族の一員と思っていた人間にとっては口外はできないものの、一生負い目として背負っていく悲しみです。タエちゃんにはチョビの生まれ変わりと思えるマリンと出会えて、新しい家族となったことを知り救われました。「もう小さい命は飼わない。」ではなく、新しく迎え入れる人でいたい。2019/04/04
アクビちゃん
58
【図書館】〜東日本大震災 あの日を忘れない〜 東日本大震災で亡くなった犬のチョビ目線のお話しです。ニュースで、飼われていたペットや家畜が野生になり問題になっていたり、ペットは避難所に入れない事などは知ってました。が、まだまだ知らない震災のペット事情があるんだろうな…と、つくづく感じました。ペット事情だけではなく、震災の事を忘れず、自分の子ども達に伝えていき、どう感じて、何を思うかを語り合いたいな〜。その為にも、これからも3月は震災関係の本を読み続けていきたいです。 2019/03/08
かおりんご
58
絵本。3月11日を前に、読み聞かせ用に借りる。あの日、多くの人が犠牲になった。でも人間だけではなく、どうぶつたちも置き去りにされたり、ストレスで弱ったりして、命を落とした。そのことを知ってもらいたい。かけがえのない命について、しっかり考えさせたいと思う。2016/03/08
かおりんご
49
読み聞かせ(301)いぬが死んでることに、なかなか気づけず。さらに、「たえちゃん」「のんくん」という呼び方が気になるらしく、すんなりと物語には入れていなかった気がします。最後に、犠牲になった動物たちがいたことを伝えると、「スーホと一緒の気持ちなんだね!」と、納得したようではありましたが。土地柄、自分の家でペットを飼っている子が少ないので、ペットロスを理解しづらいんでしょうね。盲点でした。2016/03/11
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