内容説明
レアはがんという病気にかかり、入院することになりました。友だちのロビンは、まい日、おみまいにいきます。本をよんだり、おしゃべりしたり、いっしょに星をみあげたり。けれども、やがてふたりにわかれのときが、おとずれます…。レアとロビンの友情をとおして命を静かに見つめる絵本。
著者等紹介
ジルソン,パトリック[ジルソン,パトリック][Gilson,Patrick]
1956年、旧ベルギー領コンゴ(現・コンゴ民主共和国)に生まれる。社会学の学位を取得。その後、教職につき、「子どもと死」というテーマで文章教室を開く
デュボア,クロード・K.[デュボア,クロードK.][Dubois,Claude K.]
1960年、ベルギーに生まれる。版画を学んだ後、リエージュの美術学校に進学。現在は、同校でデッサンを教えながら、イラストレーターとしても活躍中。様々な作家と組み、イラストレーションや、絵本の仕事を手がけている
野坂悦子[ノザカエツコ]
1959年、東京に生まれる。早稲田大学第一文学部で英文学を専攻。現在、オランダ語を中心に、翻訳家として活躍中。また「紙芝居文化の会」運営委員も務める。訳書に『おじいちゃんわすれないよ』(金の星社産経児童出版文化賞大賞受賞)他多数ある
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Hideto-S@仮想書店 月舟書房
90
小児がんに罹った友だちを見舞う少年。空席がある教室をみて、意地悪をしてしまった自分を責める。病気に対する知識がないクラスメイトは「一緒にいたらうつる?」と不安そうに尋ねる。わだかまりが解け、病室で二人で過ごす日々。笑いあったり一緒に星をみあげたり。だけど、そんな穏やかな時は長くは続かなくて……。日本では、15歳未満の子どもの1万人に一人ががんに罹ると言われる。「子どもにはまだ早い」という事はいろいろあるのかもしれないけど、デス・エデュケーションは子どもにも大切なことだと信じている。2003年9月初版。2016/05/24
gtn
13
お互いに淡い恋愛感情があったのかもしれない。毎日レアを見舞うロビン。そのロビンを待つレア。二人が狭い病室から空を見上げ、星を眺める。大宇宙が広がる。そして、ロビンを残し、レアが大宇宙に溶け込む。しかし、また会えることを確信しているのだろう。ロビンに悲哀や感傷はない。2020/01/28
おはなし会 芽ぶっく
8
読書会【テーマ 出会いと別れ】 友達の病気に自分を責める。あの時優しくしていれば。小学校低学年にもわかる死の本。2013/01/22
ヒラP@ehon.gohon
7
どことなくメロウな絵のタッチと重い内容に、手にとってちょっと躊躇してしまいました。 子どもたちにとって、身近な友だちが死ぬなんて想像すら出来ない テーマでしょう。 しかし、無いわけではない現実と向き合うとき、このような絵本が仲立ちになってくれるのでしょうね。 癌治療の事実と死を、子どもの視線で描いて、しっかりと受け止めた絵本だと思います。2015/04/30
木佐
3
デス・エデュケーションの絵本。少年ロビンとがんを患った少女レアの物語。死の教育の教材絵本の性質を持っている作品なので、やさしい内容ではなく厳しい現実の物語ですが、この作品から伝わってくるものには、温かさとか優しさとかしっかり詰まっていたと思います。2012/03/06