内容説明
忘れ、間違えることで記憶は作られる。記憶にとって間違えることは良いことなのである。脳が長年かかって獲得した記憶の能力は生きるための脳の戦略でもある。この記憶を理解することは人間を深く理解することでもある。
目次
第1章 忘れっぽい脳
第2章 忘れなければ覚えられない
第3章 消したい記憶、消せない記憶
第4章 記憶はいつでも現在形
第5章 忘れることを忘れると…
第6章 記憶力・学習力をよくする12カ条
著者等紹介
田中真知[タナカマチ]
1960年東京生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。作家・翻訳家・科学ライター。科学雑誌や医療雑誌のライターを経てエジプトに8年滞在。アフリカ・中東各地を多様な視点から取材・旅行(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
りょ
17
学生の頃読んだ本。再読。脳科学の基礎を学ぶなら良い本かもしれない。本著は2011年頃が初版である。どの章に対しても言えるが「刊行された当時はこういうエビデンスの元にそのような結果がでているんだな」と過去のものとして捉えた方がいいと思う。中には、因果関係が証明されてない曖昧な内容も含まれているので、読み方には注意。最後の6章は、記憶力や学習力に関することが書かれているが、正直ありきたりな事しか書いてない。「知りたいサイエンス」シリーズは図などもあり読みやすいので入門としては良いと思う。2019/12/31
かす実
5
記憶はその都度構築されるものだ、という何気ない記述が印象に残った。固有名詞が覚えられない理由がわかったのが何よりの収穫。名前などの情報は独立していて、そこへ辿り着く方法が1つしかないから簡単に忘れてしまうのだそう。あと、ストレスが記憶の妨げになるというのも本当だなと思う。ワーキングメモリを鍛えるために、頭の中で単語を逆から読む練習をしよう。場所法というよくある記憶法は実は古代からあったものだった。文字誕生以降はむしろ本は物を覚えるためのツールだったそう。エピソード記憶的な方法で勉強も記憶できないか。2018/09/12
東側ギャン
2
ブッダのいう悟りっていうのはいわゆるこタール症候群やカプグラ症候群の症状の状態なんじゃないだろうかとふとおもう。2017/02/22
おやつ
2
科学的な観点から現在記憶についてわかっていることを総括的に知ることができた。様々な特異な記憶を持つ人々の話も載っていてそれが興味深い。良くも悪くも自分がごく普通の記憶の機能を持っていることをありがたく思えた。2015/10/19
丘野詩果
2
なんでも記憶してしまうというのはよくない。 人間は忘れるから生きていけるのだ。2012/05/01