脳の中の「私」はなぜ見つからないのか?―ロボティクス研究者が見た脳と心の思想史

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ A5判/ページ数 275p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784774131665
  • NDC分類 491.371
  • Cコード C3011

出版社内容情報

東洋思想,西洋哲学,現代心理学に対して自らの仮説の検証を行い,縦横無尽に「自由意志」が何であるか論じていく。

目次

第1章 意識とは何か(一元論と二元論;クオリアの問題 ほか)
第2章 東洋思想と宗教(釈迦;老子 ほか)
第3章 西洋哲学(デカルトの二元論;スピノザの汎神論 ほか)
第4章 現代心理学・科学・哲学(心理学;認知心理学 ほか)
第5章 哲学者との対話(現象学;生態学的心理学)

著者等紹介

前野隆司[マエノタカシ]
慶應義塾大学理工学部機械工学科教授。1962年山口生まれ、広島育ち。1984年東京工業大学卒業、1986年同大学大学院修士課程修了後、キヤノン(株)入社。超音波モーターや精密機械の研究開発に従事。1995年慶應義塾大学専任講師、1999年同大学助教授を経て2006年より教授。1990~1992年カリフォルニア大学バークレー校訪問研究員、2001年ハーバード大学訪問教員。博士(工学)。大学移籍後は、新型アクチュエータ、ヒトの触覚、触覚センサ・触覚提示デバイス、遠隔操作型ロボット、生物の進化シュミレーション、進化・生命化するロボットなど、ロボットとヒトの研究に従事。機械・ロボット・ヒトについていろいろな研究をおこなううちに、子供のころの「心」の疑問に到達して、『脳はなぜ「心」を作ったのか―「私」の謎を解く受動意識仮説』、『錯覚する脳―「おいしい」も「痛い」も幻想だった』(筑摩書房)を執筆(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

bapaksejahtera

12
ヒトの脳が発達し、エピソード記憶による情報蓄積を活用した結果、ヒトは種としての優位を確立する。人間は一連の思考と判断の体系を、身体とは別の次元の「心」と位置づけ、「わたし」が成立する。宗教や西洋哲学もこれを前提に出発する。受動意識仮説を提示する著者の論旨は、多くの脳科学知見とも一致する。認知の衰退を実感する「心」の頼りなさは老人の私に日々迫る。脳の認知研究は、著者の専門分野への応用にはまだ不十分だ。二人の哲学者との対談は論争的で刺激的だが、用語論等不備も見られる。宗教との比較分析は満足するレベルではない。2024/04/10

りょうみや

11
著者の脳本、出版順に3冊目。副題の通りロボ研究者が書いた脳の心の思想史。思想は東洋と西洋分けて書かれていて、最近になってようやく西洋の思想が2500年前の釈迦に追いついてきた、ないし結果的に同じ結論に至ってきたことになる。これに科学論も追加しているところがエンジニアの著者らしいところ。最後に専門の哲学者二人との対話があるのだが、プロの哲学者の言うことはどうも分かりにくい。著者の考え方の方がすっきりと分かりやすいと思えるのは考えが浅いからなのだろうか。2018/09/01

伊勢田和良

2
前野隆司「脳の中の『私』はなぜ見つからないのか」(2007年)を読みました。 2004年の「脳はなぜ心を作ったのか」の中で、受動意識仮説からみると古今東西の思想・哲学・宗教の説く意識・心・存在をどう考えていたのかにも触れています。 反響が大きかったので、この部分を詳しく解説したのが本書で「脳はなぜ心を作ったのか」のあとに発表された補完本「錯覚する脳」に続いてのさらなる補完本です。 比較・解説する対象は幅広く仏教、儒教、キリスト教、イスラム教、デカルトなどの近代哲学、ニヒ2015/03/02

エル=rθ

2
受動意識仮説は、ホント興味深いですね。

Jackie

1
youtube で見た講義の話が面白かったので手にとってみた。…が、本の方は難しかった(笑) 最後の対談に至っては何を話しているのか全く理解できず。話が噛み合っているのかすらも。2021/01/22

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/532173
  • ご注意事項