出版社内容情報
ジャーナリズムの世界に足を踏み入れた若き日のマルケス。
新聞紙上に書かれた膨大な数のコラムは、単なる客観的事実の伝達に終わらず、小説的な世界へ読者を誘う。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
157
若きマルケスのジャーナリストとしての軌跡を記す。前半はコロンビア時代。ここにはマルケシタのように、極めて土俗的で後のマジックリアリズムの萌芽を思わせるようなものがある一方で、広島での被爆証言の記録や、コロンビア人の朝鮮戦争への出兵をめぐる純然たるジャーナリスティックなものもある。後半はヨーロッパ時代のものだが、こちらは随分伸びやかだ。篇中で最も注目すべきは、ローマ在住のウィルマの事故死という、ごくありきたりの事件が次々と思いがけない方向に発展していく記事で、まさに後年の『予告された殺人の記録』を思わせる。2014/07/05
おさむ
28
マジックリアリズムで知られる、ノーベル文学賞作家、ガルシアマルケスの若き日の新聞記者時代の作品集。記事というよりもコラム的な要素が色濃く、読み物として楽しめる。後の作風の萌芽を感じさせる文体も散見される。印象に残ったのは、コロンビア兵が朝鮮戦争に参戦していたという事実。帰還兵の悲哀を淡々と描く筆には、ジャーナリズムが垣間見える。チャベス大統領亡き後のコロンビアは経済が破綻・混乱し、政治は無力化。国家そのものが崩壊状態にある。もしマルケスが生きていたら、この悲惨な現状をどう描いたのか。読んでみたい気がする。2019/11/12
葛
1
ラテンアメリカ文学選集④ 編集・鼓直、木村榮一 ジャーナリズム作品集 1991年4月30日 初版第一刷3000部 定価2575円(本体2500円) 訳者:鼓直、柳沼孝一郎 装丁:粟津潔 発行者:北川フラム 発行所:現代企画室 印刷:ミツワ印刷 製本:松栄堂製本 0327-910430-19802017/07/11
shuha
1
文章書くのが本当に好きなことが滲み出ている。2014/07/06
Novo
0
再読。2009/09/23
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- 和書
- 新現場からみた出版学