出版社内容情報
《内容》 人格障害は,精神療法の実践の対象としては最も困難な対象の一つである。病態水準という観点から見れば,神経症レベルにも達しない正常レベルから精神病的な水準まで,さまざまな防衛機制と病態水準を示す者が一括されている。従って,臨床の場においても,いかなる技法にせよ,共通する総論的な問題はないといってよい。
本書は,人格障害の精神療法についての研究とケースがまとめられた日本で最初の書物である。DSM-IVの人格障害のほぼすべての類型を網羅し,現役の臨床家が実践的な治療経験を詳述している。
人格障害の精神療法においては,治療者は高度な治療技術を必要とし,そこに注ぎ込むエネルギーも多大なものがある。しかし人格障害の精神療法は,精神療法の最も深い領域であることも事実であり,今後,生物学的精神医学や行動科学がどれほど進歩しようとも,決してその場を奪われることのない精神療法家の最後の砦であるということもできるのである。(本書より)
《目次》
□主な目次
総論1 人格障害の精神療法/福島章
総論2 人格障害の臨床――最近の動向/町沢静夫
■クラスターB
境界例患者の要求の特性と閉鎖病棟での制限設定/林直樹
自己愛性人格障害の心理療法/福本修
境界性人格障害にみられるスプリッティングメカニズムの臨床的考察/町沢静夫
反社会性人格障害の精神療法/藤岡淳子
演技性人格障害の心理療法/門田一法
■クラスターA
分裂病質人格障害の青年との精神療法/津川律子
妄想性人格障害の心理療法/中野幹三
分裂病型人格障害の少女へのイメージを通じた精神療法過程/横山博
分裂病型人格障害の治療と逆転移/淺香智
■クラスターC
強迫性人格障害の心理療法/馬場謙一
回避性人格障害の心理療法/元永拓郎・広瀬徹也
内容説明
人格障害は、精神療法の実践の対象としては最も困難な対象の一つである。病態水準という観点から見れば、神経症レベルにも達しない正常レベルから精神病的な水準まで、さまざまな防衛機制と病態水準を示す者が一括されていう。従って、臨床の場においても、いかなる技法にせよ、共通する総論的な問題はないといってよい。本書は、人格障害の精神療法についてのケースがまとめられた日本で最初の書物である。DSM‐4の人格障害のほぼすべての類型を網羅し、現役の臨床家が実践的な治療経験を詳述している。
目次
総論(人格障害の精神療法;人格障害の臨床―最近の動向)
クラスターB(境界例患者の要求の特性と閉鎖病棟での制限設定;自己愛性人格障害の心理療法 ほか)
クラスターA(分裂病質人格障害の青年との精神療法;妄想性人格障害の心理療法 ほか)
クラスターC(強迫性人格障害の心理療法;回避性人格障害の心理療法)