見沼田んぼの景観学―龍のいる原風景の保全・再生

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ A5判/ページ数 232p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784772214698
  • NDC分類 519.813
  • Cコード C1052

内容説明

代表的な日本のランドスケープとして見沼田んぼとその周囲にある氷川神社・氷川女体神社の空間の価値を昭和56年から59年にかけて説明・広報し、埼玉県の原風景の保全へ行政の転換を図った。見沼田んぼの斜面林・用水・堤・というセットとしての景観が重要であることを指摘し「見沼代用水東縁の一部原形保存」という知事の指示と、後の「さいたま緑のトラスト第一号」を生んだ。また、江戸東京と利根川の深い関係を指摘し、首都構造としての見沼田んぼ・見沼代用水環境保全・再生の取り組みも重要としている。

目次

はじめに 見沼田圃・龍の物語の空間シーン
第1章 見沼田圃論の形成(見沼田圃‐開発と保全の理論‐への道程;三つの氷川神社と見沼の龍の祭祀;見沼田圃の保全の経過と見沼田圃論集;埼玉県の空間づくりと見沼田圃の課題;見沼田圃景観のテキストと環境学習・原風景再生への展開)
第2章 河川・水路・低地のシステムと見沼代用水の景観(見沼・高沼・氷川神社と空間軸・用水・堤の景観;河川と用水の構成システム;水路と堤の埼玉の原風景の形成)
第3章 見沼田圃と見沼代用水の景観の保全(見沼田圃の景観と空間―台地と低地の縁の意味を通して考える;見沼代用水の景観の保全について;見沼田代用水東縁の景観保全実現への経過)
第4章 見沼市民活動から環境学習都市構想へ(原風景計画論としての見沼田圃景観保全;見沼田圃の保全と見沼環境学習;「大宮・浦和地区の都市づくり」と日本国土のデザイン;近代と近代以後の空間計画と原風景計画)
付章 原風景再生計画論へ(『見沼田圃論』以後の展開;地域が共有できる文化的環境の継承と空間計画―原風景再生計画論 ほか)

著者等紹介

宇杉和夫[ウスギカズオ]
1946年埼玉県生まれ。1969年日本大学理工学部建築学科卒業、建築設計・都市計画に従事。1975年日本大学大学院理工学研究科建築学専攻修了、修士論文「空間認識に関する基礎的研究・発生論的空間論」、日本大学理工学部建築学科助手、地区計画・景観保全整備計画などを指導・実施。2001年日本大学理工学部建築学科助教授。建設大臣賞受賞。博士(工学)「空間認識と景観構成の原質に関する基礎的研究―日本の神社と地域空間の関係を通して―」。川口市開発審査会委員、日本建築学会都市計画委員会都市形成・計画史小委員会幹事など
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。