目次
死体とのお付きあい(荒俣宏)
死の哲学(小阪修平)
独弔(京極夏彦)
インド死者の書(宮本啓一)
死をめぐる神話群(石堂藍)
人の死(田沼靖一)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
青蓮
58
再読です。装丁からして面白い。死を多角的な角度から描いた本。死に対して不思議な魅力を感じるのは自身の死を体験出来ないからであろう。未知ゆえに惹かれるのだ。京極夏彦の掌編小説が好き。2015/08/02
sin
46
メメント・モリ 人は己を意識して自らが在るゆえに死を想い煩う。しかし動物としての人は遺伝子の浄化のために死を抱えて人類として存続するさだめにあるという。それは生物としての人類が永遠を望んだ故に個としての自分達が死を、そのさだめを受け入れたと言うべきなのか!生くるべくして死にいたる、それが問題だ。2014/08/21
たまきら
11
みんなに訪れるもの。知りたいという気持ちを抑えられずに初版を購入したっけ。あのころはいつも六本木のABCにいた。確か当時は午前様まで開いてた気がする…そんな若いころの気持ちがあってどうも整理できない本です。2015/10/08
しろ
11
☆7 真っ黒な紙に白い文字、装丁からして面白い本。京極さんだけは短編小説だけど、六人の方が死について分析している。一人ひとりのアプローチや死の捉え方が違う。死体のもつ神秘性、哲学者の真の死のイメージ、生と死の境界線を問う小説、死と輪廻、死後の生を語る神話、生物的な死、一つひとつが独立しているから改めて一日一編読んでみたい。さらに文章と同等以上に死にまつわる挿画があり、読んでいると不思議な気持ちになる。せっかくなら死と向き合って生きていきたい。2012/01/17
背川
4
装丁が面白い。中は真っ黒で、見開きのうち右頁には「死」にまつわる様々な図像が並んでいる。ちょっと銀色に光るようなインクで、時々ぎょっとするほどアップで載せられた図像は九相図からエジプトの壁画から腐乱死体(トランジ)像まで多岐に及ぶ。文章も同様で、エンバーミング技術からインドの輪廻転生、京極夏彦による短編小説まで。「死」を巡ることならとにかくいろんなことを、古代神話から詩の数々まで読むことができる、とにかく「真っ黒い」一冊。2011/06/23