感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
gentleyellow
3
帰納の問題(ヒュームの懐疑主義)で立ち上がった問題から始まり、ポパーの反証主義、ポパー批判を受けてのクーンのパラダイム理論、ラカトシュのリサーチプログラム、ファイヤアーベントのアナーキズム科学論まで。科学論を学び直したいと思ったときに、名著と噂の本を買ってあったのだが、期待通りめちゃくちゃ面白かった。論理が順序良くきれいにまとまっているので、理解もしやすいし、科学論の議論の経緯もが分かる。いい本。なんだけど……あー、積読してあった間に改定3版の邦訳とか出てたのか。チェックしないとじゃん。2014/11/25
Seiren Kohiyama
1
高校生のときに読んでおかげさまで現在は文系。父が東大の村田純一氏に教わっていたときの底本だったそうで。タイトルを見ると「またギリシャ・アテネからか...」とうんざりしかけるが、この本は現代の(1960〜)の科学論を「帰納の問題」から始め、それら帰納・反証主義を「観察の理論負荷性」という観点から明晰に批判していく。前半はラカトシュのリサーチプログラムにたどり着くまでの道のりであるが、ハンソンやクワイン、ラッセル、カルナップらの言説も見られる。後半の実在論の問いはいかにして科学社会学が要請されるかという展開2012/08/16
shinnyusk
1
出来上がったものを出来上がったものとして語るのは簡単です。ですが、出来上がったものをその出自に立ち戻り、そこから発展的に語るのはかなり困難です。ポパーの反証主義を取り上げてわかりやすく解説している本は多くあります(その中でラカトシュについてもしばしば言及されます)。一方、クーンのパラダイム論を取り上げてわかりやすく解説している本も多くあります。意外なことに、その両者の立場を公平に取り上げて、わかりやすく解説している本はあまり見たことがありません。本書はまさに科学論の展開をわかりやすく教えてくれています。
マイモマイモリンクスマイモマイモ
0
頭の体操。考え方の練習用。2012/03/18
321
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辞書2010/08/12