内容説明
インド、マレーシア、フィリピン、パラオ、台湾…日本軍は、私たちの祖先は、激戦の中で何を遺したのか。金田一春彦氏が生前に感激して絶賛した「歴史認識」を辿る旅。
目次
第1章 インド―独立戦争を共に戦ってくれて感謝しています(インパール作戦は対英独立戦争;インド国民軍の日本軍への感謝 ほか)
第2章 フィリピン―白人への最後の抵抗と勇気を敬っています(アジアの中の“ラテン”;サンチャゴ「記念碑」への疑念 ほか)
第3章 パラオ―打電「サクラ・サクラ」は武勇の象徴です(日本統治時代の遺産;「ダイジョウブ」を口にする人々 ほか)
第4章 台湾―「大和魂を持っていた」と胸を張っています(“老台北”との出会い;台北は「日本建築博物館」 ほか)
第5章 マレーシア―アジアは英米と対等だと奮い立たせてくれました(マレー攻略戦の大義;親日の理由 ほか)
著者等紹介
井上和彦[イノウエカズヒコ]
ジャーナリスト。昭和38(1963)年滋賀県生れ。法政大学卒。専門は軍事・安全保障・外交問題・近現代史。バラエティー番組やニュース番組のコメンテーターを務める。“軍事漫談家”の異名を持つ。産経新聞「正論」執筆メンバー。フジサンケイグループ第17回「正論新風賞」受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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り こ む ん
31
歴史には光と影がある。なるほど光だけ集めればこうなるだろう。ただ、インパールにしても、ペリリューにしても、特攻にしても、その戦闘に対して綿密な計画性が有ったのか?と、問いたい。たた、戦後の歴史教育については、同感だ。何故?近代史を駆け足で駆け抜ける?前に読んだ本にも有ったが、日本の近代史は歴史の残骸を並べ立ただけ。興味がなければ、自ら探さなければ分からない近代史…いろんな意味で危ないと思う。戦後半世紀をへた。日本が自ら近代史の精査を行う事はできるはずだ。2018/08/21
金吾
29
やや自分の主張にあわせて証言を集めているように感じました。海外で暮らしていた時のイメージとだぶりますし、書いている内容は事実であることは理解できかつ気分も高揚しますし、また日本の教育が偏向しているもありますのでしょうがないのかもしれませんが、もう少しバランスがあった方がいいのではと思いました。「日本は元日本人のもの」という言葉は印象的でした。2023/01/26
to boy
23
歴史には光と影があるのだが、影ばかりを強調するのも光ばかりを言うのもおかしいものです。自虐史観大好きな現代日本の中でこの本は全く反対の方向を向いています。太平洋戦争の良し悪しは置いといて、この戦争でアジアの国々が欧米の植民地から独立する契機になった事実は認めるべきでしょう。真珠湾よりも先にマレー半島上陸作戦が先行していて当時の対戦相手は英国であったことなど知らないことがたくさんありました。甘い食べ物を食べ過ぎたような食傷気味な内容ですけど、一読に値する本です。2018/07/31
Cinejazz
4
戦後の日本は「自虐史観」に染め上げられてしまった。「戦争は回避すべきだった。他の選択肢があったはずだ。」と現代の価値観で過去を推し測る意見に対して、著者【井上和彦】は、アメリカの対日戦争計画による挑発行為に嵌められ、「戦争回避は不可能」であったとしている。戦後にダグラス・マッカーサー元帥は、東京裁判の違法性を訴え、大東亜戦争は日本の「自衛戦争」と認めたとある。植民地支配から解放されたアジアの国々から「歪曲した歴史観で自分の国を蔑まず、自分の祖国を愛すること」で、国際社会での貢献を期待されている。2019/11/03
ハスキー
2
★4/日本人であればこういう本も読んでおいたほうが良いと思います。全体的に読みやすく、世界史の知識がない方でも、読めると思います。学校で習う日本史では学べないことが沢山載っていました。ただここで書かれていることが100%正しいかどうか、今の私には判断がつきかねます。少し表現が過剰かなと思うところもあると思いますが、世の中にはこういう見方もあるんだな、位の気軽な気持ちで読まれるとよろしいかと思います。2019/10/15