内容説明
米軍侵攻の後のフィリピン、セブ島からミンダナオ島ダバオへの陸軍部隊の輸送任務を見事成功させた三号輸送艦。沈着果敢、強靱な意志と、最高度の決断力をもって行動した乗員たちは、その後どのような運命をたどったのか―大戦中の戦いぶりや、戦後も引揚輸送や捕鯨母船として従事した輸送艦の足跡をつづる。
目次
三号輸送艦帰投せず(僚艦「名取」との別れ;魔のバシー海峡へ;輸送艦について;技術者たちの晴れ舞台;マニラを後にセブ島へ;不安と緊張の海へ;座礁、そして苦難の道;たった一つの希望;勇敢なる少年兵;戦いすんで;悲劇を越えて)
輸送艦かく戦えり(幸運の第一九号輸送艦;多号輸送の戦歴;不死身の第九号輸送艦;セブ甲標的隊の気概;二人の青年将校;引揚復員輸送の要員たち;輸送日誌(1)
輸送日誌(2)
復員輸送の思い出
捕鯨について
捕鯨よもやま話
輸送艦の最期)
著者等紹介
松永市郎[マツナガイチロウ]
大正8年、佐賀県三養基郡に生まれる。昭和15年8月、海軍兵学校卒業。練習艦隊(香取)、「陸奥」「榛名」乗組。「古鷹」分隊長、第六艦隊司令部付、「那珂」「名取」「葛城」、内海航空隊の各通信長をへて、岩国航空隊通信長のとき終戦。海軍大尉。平成17年3月、歿(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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