内容説明
副官として幕僚として従兵として、また作戦当事者として生身の長官に接してきたそれぞれの体験を点綴、悲劇の名将の素顔を活写した迫真の証言。
目次
生きている山本五十六
空の提督山本五十六の執念
日米開戦「長門」艦上の山本司令部、緊張の一日
山本GF司令部に奇襲成功の秘電が到来したとき
ミッドウェー沖「大和」司令部に声絶えて
わが作戦室を朱に染めたソロモン海の悪夢
外国人の見た山本五十六
初対面で感じた山本長官の憂愁の蔭
私は山本連合艦隊司令部の従兵だった
あゝ山本長官ブイン上空より還らず〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
こまったまこ
9
山本五十六について色々な立場の人が述べたもので、三和参謀や従兵だった方の話は素顔の山本五十六が垣間見られてとても興味深い。山本五十六の捜索と検死に立ち会った渡辺参謀の話は淡々と綴られているが行間に悲愴感が漂う。暗殺実行犯の米兵の話だと敵も脱落機が続出した上、燃料がギリギリだったことに驚いた。山本五十六が時間にルーズで、出発が遅かったらこの襲撃は失敗していたかもしれない。2015/06/17
選り草
2
山本五十六に以前から興味があり、この本を手に取った。アメリカとの戦争に最後まで反対した人の一人として、勇気ある人物と思っていたからだ。 この本で、それは平和主義者として戦争に反対していたのでなく、日本やアメリカの実力差を現実として知り、日本を愛する人間の一人として反対していたのだと知った。 反対の声も多かった真珠湾攻撃を断行したのも、軍縮会議で他国の交渉に屈しなかったのも、愛国心の現れだろう。 しかし、負けると知った戦を指揮するのは、どんな心境だっただろう。2016/11/13
unflyable
1
「山本五十六のすべて」と同様に彼を知る軍人などによる短編の回想録。個人的には各参謀の主務についての回想があるのでこっちの方がありがたかった。2016/11/11