感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
山口透析鉄
18
現代書館のこのシリーズ、アインシュタインやフロイト共に、ユダヤ系ということもあってか、カール・マルクスも最初期に取り上げていたものと記憶しています。 子どもの頃、英国ロンドンに住んでいた時期があり、当時はまだマルクスの墓参りができた(今は入れなくなったと聞きます)んで、家族と行きました。 経済学は完成する学問ではないでしょうが、斎藤幸平氏が出てきて、ようやく公平に評価されてきたんだなと思う経済学者でもありますね。(この本を読んだのは高校生の頃で、当時でもちょっとマルクス経済学は古くなりかけていた)1985/09/14
べっち
18
★★★古本屋でたまたま見つけた一冊。漫画風になってます。35年前に出版された本だが比較的分かりやすかった。資本論についてはそこまで詳しく述べられていないが、なぜマルクスが資本論を考えるようになったのかという経緯や歴史も描かれている。マルクスは哲学の影響をかなり受けているようで、哲学の歴史とこはチンプンカンプンでした(笑)哲学に関してはまた勉強したいと思う。マルクスに関して二冊読んだがあまりピンとこない。これは池上さんに頼るしかないか、、、笑2015/01/24
nobody
13
現象が全てで本質などないとまでは言わぬが、あまり見えないものを突き詰め過ぎない方がいいんじゃなかろうか。資本主義とは商品を安く買って高く売ること、可変部分は労働力しかないのでそこで搾取する、それだけで済むことをわざわざ小難しくくだくだしく「解析」する必要があろうか。資本家は粒粒辛苦マルクスが解明したことを踏まえて経営しているのか。性的メッセージに溢れた広告の発案者は上野千鶴子が解読に拠った記号論・行動学の理論を基に広告を作ったのか。解読すべきは正当化という目晦ましの元に悪事を行おうとする人間の心性だろう。2019/03/16
空箱零士
10
外山恒一も勉強会で教材にしたみたいだしじゃあこいつを入口にするかー的ノリで手にしてみた。マルクスを哲学・経済学説・史的唯物論から解説。経済学説・史的唯物論の理論の基底にヘーゲル弁証法の唯物論的超克という命題があるように、氏の出発点は哲学だと改めて実感。哲学を社会の変革に始めて本格的に用いた点でも革新的な哲学者だっただろう。資本主義の弊害を搾取(疎外)や余剰価値に求め、その克服のために団結を求めた(史的唯物論)という流れか。『共産党宣言』を読んだ程度なので妥当性は測れないが、大雑把な理解には十分だとは思う。2015/09/30
荒野の狼
5
原著は1978年に書かれ日本語訳の本書は1980年に出版。このFor Beginnersシリーズではヘーゲルのものを私は読んだが本書のほうが内容ははるかに充実している。33ページまでがマルクスの生涯をざっとまとめてある。62ページまではマルクス以前の哲学のまとめ。141ページまではマルクスの思想の要点をまとめてある。巻末にはユニークな用語集がある。たとえば「宗教」の項目では「マルクス主義によれば宗教は人間の無知と信心深さにもとづく搾取の一形式である」と書かれている。2017/07/15