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アラバマ物語

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  • サイズ B6変判/ページ数 399p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784766000061
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

401
1930年代アラバマ州メイコーム。物語はいかにもディープサウスらしい事件を軸に展開するが、何よりも成功しているのはフィンチ家の長女スカウト(8歳)の語りで進められていくことだ。当然ながらそこには自ずと限界があるのだが、そのことが逆に強固なリアリティと、独特の郷愁に満ちた空気感とを生み出してゆく。事件そのものは、なんともやりきれないものであるし、正義が果たされることはない。しかも、それだけにとどまらず、ジェムとスカウトの兄妹までもが危険にさらされることになる。本書の出版は1960年。公民権運動の渦中である。2020/06/13

ケイ

109
「アンクルトムの小屋」を読んだ時にも思ったが、黒人が持つべき権利については、南部にいる人しか書き得ない。いくら想像力にあふれた人権運動家も、身近にその問題に日々触れていなければ、語ることは絵空事・夢物語に過ぎない。黒人の問題に立ち向かい、権利を勝ち取っていったことは、ここで描かれるような南部に住みながら透き通った考え方をもった白人と黒人が供に力を合わせたからだと思う。少年から青年の難しい年頃に変わる頃のジェムの視線が、語り手の妹の目を通してうまく生かされているなと思った。いい本を読んだ。2015/06/16

アン

106
映画化もされた、人種差別の問題を軸に兄妹の成長を描いた物語。ナチスが台頭する時代、アメリカ南部の田舎町。白人女性の暴行容疑で裁判にかけられた黒人青年を弁護する父親。身分や人種の異なる様々な視点から正義や平等について捉え、語り手が弁護士の娘、少女スカウトであることから社会への疑問や矛盾が浮き彫りにされます。貧困や無知、悪意や弱さ、人間の良心。真の勇気を持ち、父親としても子供達を成長へ導き絆を育む姿。子供達の葛藤を通し、現代にも通じる社会が抱える問題の難しさを痛感。平和な社会へ前進することを祈るばかりです。 2020/12/26

NAO

88
無実の黒人トムにかけられた嫌疑。トムが犯人だと信じて疑わず、彼を弁護するアティカスを公然と非難する町の人々。南部の激しい黒人差別を背景に、自分が思っている正義が本当の正義なのかを問う。当時の、大人になりかけたジェムの考え方とまだ子どもらしい独りよがりな考え方にとらわれているスカウトとの相違が、興味深かった。2019/03/30

扉のこちら側

85
2016年169冊め。【143/G1000】出版から半世紀以上たっても米国では毎年100万部近い数字を挙げる、聖書に次ぐとまで言われるほど米国民に強い影響を与え続ける作品。ただ『風と共に去りぬ』がヒット作でありながらも文学史ではあまり語られないように、南部を舞台にした大衆小説と扱われるようなものだと思っていた。それでも何か、米国民にとっては無視できないものであると。日本人が沖縄やヒロシマ・ナガサキ、そして福島を絶対に意識せずにはいられないようなものか。(続2016/03/13

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