内容説明
ロスジェネ世代が得てきたもの、失ったもの、残されているもの。オタク出身、ロスジェネど真ん中の精神科医が放つ渾身の1冊。大人になれない現代人の心理構造を読み解く。
目次
第1章 俺的に正しく、俺的に間違っている社会
第2章 われわれはなぜ、どこで躓いたのか―団塊ジュニア~ロスジェネ分析
第3章 ミソジニー男とクレクレ婚活女の織りなす空前のミスマッチ
第4章 取り扱い要注意物件としての自己愛
第5章 SNS時代のコミュニケーション
第6章 コミュニケーションの苦手意識を克服するための技術
第7章 私達の義務と責任―次世代に何を残せるのか
著者等紹介
熊代亨[クマシロトオル]
1975年生まれ。信州大学医学部卒業。精神科医。地域精神医療に従事する傍ら、ブログ『シロクマの屑篭』にて現代人の社会適応やサブカルチャー領域について発言している。“精神科臨床で目にする「診察室の内側の風景」と、ネットコミュニケーションやオフ会を通して見える「診察室の外側の風景」との整合性”にこだわり、社会心理学的な考察を続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Yukicks
12
自分が傷ついても構わないから誰かを好きになりたいのが「惚れる」であり、自分が傷つくのは絶対駄目で誰かに好かれたいのが「モテたい」・・・ 2013/02/24
てまり
4
読んでて苦しくなる本だわー。泣くかと思った。俺はまだ本気出していないだけとか言ってても未来はないと。でも、後の世代に継承していく喜びを大切にしようって、それがいい生き方なのはわかるんだけど、伝えたいようなこともなく育てる自信もなく……。2013/09/20
HolySen
4
割と多くの人が持つ「生きづらさ」をうまく説明してる。世代論と言えば世代論だから「ロスジェネ」という言葉は適切なんだろうけど、内容的には啓発の要素が強いし、ちょっとタイトルで損してるような気がする。80年前後生まれのロスジェネ世代を対象にしているというものではあるが、それより上の世代に対してもそれより下の世代に対しても分析が秀逸で、本質をついているように思う。コミュニケーションの問題に対しても、原因を丁寧に追究しているなぁと思った。2013/09/16
地獄汗だるま
4
自己愛についての対象図解(①鏡映自己対象②理想化自己対象③双子自己対象)が本書の柱にもなると思い解りやすい。SNSは自己愛を充たすのにうってつけでありながらも「見たいものしか見たくない」ではなく長い目で人間関係のしがらみを見ようと再認識。 「モテたい」「ダメな俺(私)を受け容れてくれ症候群」にみる異性や恋愛に対する受動性や「40代女子」「チョイ悪オヤジ」等にみられるモラトリアムを捨てられない私達世代に最終章で『若者なんてやめちまえ』と放たれ頭を殴られたような衝撃が走った。そろそろ次世代のことを考えギアチェ2012/12/20
diesuk
4
ロスジェネ世代真っ只中なんで、とても興味深く読んだ。ロスジェネ世代はバブルの残り香を少しだけ目にしているがゆえに、旧世代の価値観の中で育っている。なのに大人になったらいきなり違った価値観が世の中を支配するようになった。バブルなんて知らない下の世代にしたら、当たり前の感覚が、ロスジェネ世代にはこんなはずじゃなかったって感じになる。そう考えると残念な世代だ。その世代がこれからどう生きればいいか?というときに若者をやめろ!って言葉は響いたわ。自分は何者かにはなれない。そこを認めるところからスタートしてみよう。2012/11/12