内容説明
私が、私となり、私でなくなる、物語。田口ランディが初めて贈る「異次元を旅する絵本」。
著者等紹介
田口ランディ[タグチランディ]
1959年、東京生まれ。作家。広告代理店、編集プロダクションなどを経て、インターネットで文章を発表しはじめる
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
橘
29
こちらもとても心に染み入りました。主人公はひたすら転生し、短い生を送ります。それぞれの一生が、短いですが強烈でした。最後の方は、生物は無くなったのかな。輪廻転生の輪から外れたような、でもラストでは…。ラストの一行も響きました。2017/04/15
うさっち
6
「輪廻転生」がテーマの大人の絵本。奇形の鳥、撲殺される捨て犬、小さな虫、そして黒い雨に襲われる少女…生まれ変わっても辛いことばかり繰り返すのに、どうして「わたし」はまた転生し生きなくてはいけないのか。挿絵がとても独創的で、話は短いけど深い本。2014/01/04
姫右近
3
気味の悪い絵と淡々と語る文章との組み合わせが独特の世界を生み出している。わたしも、形あるものから開放された存在になりたいな。2009/11/30
Yossan
2
10年以上前に買った本、再読してみました。輪廻転生を繰り返す語り手、短命で幸せと言えた生は殆んどないですが、生きることや死ぬことの意味を考えるのは、確かに人間だけです。最後の言葉も響きます。2022/12/15
青
2
淡々と紡がれる“私”の一生。何度も何度も繰り返し生まれ、死んでゆく。虫に、魚に、動物に、そして人間に。いくつもの生を生き、理不尽に死んでゆく生もある。己が命とは一体何か?形を持たず、命とならなければ幸せなのか?さらに惹きつけられる大きな力「愛」とは何か。イラストも相まって引き付けられた。2014/07/09