内容説明
忘れられない出来事と、忘れたくない人たち。過去からの声に耳をすませば、懐かしいあの人が元気をくれる。遠い記憶を呼び起こす珠玉のエッセイ集。
目次
1 ごんぎつねと「ヘイジュード」(地図が好き;老父と娘の旅;猫を抱いた父;ふたごの絆 ほか)
2 ミニチュアの虹(東京タワー;小さな訪問者;春の別れ;東京都コマエ市 ほか)
3 うちの閣下(骨を洗う;少女たちの「ひろしま」;ひめゆりの硯;宮城さんと西銘さん ほか)
著者等紹介
梯久美子[カケハシクミコ]
1961(昭和36)年熊本市生まれ。北海道大学文学部を卒業後、東京の企業に就職。二年後に退社して編集プロダクションを起業し、雑誌や書籍の編集に携わる一方で、政治家、企業家、文化人など、数多くのインタビュー記事を執筆した。三九歳から文筆業に専念し、雑誌『アエラ』等にルポルタージュを執筆。2005年(平成17)年に上梓した単行本デビュー作『散るぞ悲しき 硫黄島総指揮官・栗林忠道』(新潮社)で第三七回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アルクシ・ガイ
4
相変わらず嘘のない文章です。予定調和に堕ちていないと言ってもいい。凡人がエッセイを書くと、綺麗に取り繕えば嘘が混じり、正直に打ち明ければ喧嘩が始まってしまうもの。筆者の文体は綺麗でありながら正直で、嘘も喧嘩もない。2021/11/14
桐一葉
3
なんて深く静かに温かい人なんやろう。とてもとても丁寧に綴られた一冊でした。記憶や思い出はとても尊いものよ と語りかけてくれてるように感じられた。素晴らしい人がたくさん出てきはって、あたしも他人と接する時は「あなたのための時間はいくらでもありますよ」と思いながら話そう。と目標もできた!何度も繰り返し読みたい。2016/01/25
takao
2
ふむ2022/09/20
はなみずき
2
誰かを想いだす、何かを思い出す、そのきっかけを語ってくれていた。最近そうなんです、自分もそう。ふっとおもいがけないところで自分の生まれたときからの感じ方を、鮮明にも曖昧にも思い出す。そして苦くも甘くも自分の位置を教えてくれてたりする。"自分”っていろんなところから紡がれて今の私がいるんだなぁ。。。。。2013/08/04
桐一葉
1
エッセイやと他の作品では感じられない梯久美子さん自身が伝わってくる。なんていうんやろ、、勝ち気で勇ましく、ぐいぐい突き進んでゆくエネルギーがある。ふと心に引っ掛かることを元に、丹念に取材を重ね作品を作り上げてゆく様がとってもすきです。いつも力をもらいます。たびたび読みたくなる一冊。2021/08/26