君は歩いて行くらん―中川幸夫狂伝

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  • サイズ A5判/ページ数 339p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784763010261
  • NDC分類 793.2
  • Cコード C0071

内容説明

もっとも日本的な「生け花」を刺殺し、その血で花の命を造形した悲しくも狂おしき鬼才。同じ郷土で生まれ、中川を凝視してきた人間ドラマの旗手・早坂暁が刻む華・狂気・エロスの幻視館。

目次

我々はどこから来たのか、我々は何者か、我々はどこへ行くのか―ゴーギャン
生まれ生まれ、生まれる前に暗く、―『空海絶語』より
誰がために花は咲くらむ 故郷の庭―大正天皇御製
いくさらが濺ぎし血かとわけいりて見し草むらの撫子の花―森鴎外
風呂出で 詩へ寝る 月輝る―ベートーベン・第九より
蛸ノ遺骨ハ 帰ラナイ 骨ガナイノデ 帰レナイ
闇夜に飛礫を投げる人びとよ
刻刻是好刻―茶室・好刻庵
悲しい歌 うれしい歌 たくさん聞いたよね
哲学堂の葉擦レ人たち
サン・レミの修道院の庭
林檎喰うて牡丹の前で死なんかな
狂花思案抄

著者等紹介

早坂暁[ハヤサカアキラ]
1929年(昭和4)、愛媛県松山市生まれ。作家、中川幸夫事務所世話人代表。本名、富田祥資(とみた・よしすけ)。日本大学芸術学部演劇科卒業後、業界紙編集長、ある時は富田二郎、ある時は早坂暁の名で、評論や小説、シナリオを書き始める。以後、小説、映画シナリオ、舞台演出、ドキュメンタリー製作を手がける。新田次郎文学賞、講談社エッセイ賞、放送文化基金賞、芸術選奨文部大臣賞、紫綬褒章、芸術祭大賞、モンテカルロ国際テレビ祭脚本賞、放送文化賞、向田邦子賞ほか受賞多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ゴロチビ

3
片桐功敦「Sacrifice」を探してたら目に入る。かつて読んだ早坂暁「華日記」の記憶が蘇った。前半は中川の生い立ちに絡めた丸亀の歴史が面白い。鳥居耀蔵の意外な晩年やドイツ人捕虜がもたらした文化、大正デモクラシーと大正天皇、損耗率100%の丸亀連隊など。戦後、前衛いけ花に進む中川を描く後半は既読の感もあるが重森三玲との出会いにはワクワク。この本は中川の最大の理解者であり、まるで同性の伴侶のようでもある著者が心赴くままに振り返った伝記という体裁か。おかげで自分の中川幸夫熱が再燃してしまった。2022/04/19

筋書屋虫六

1
中川幸夫という前衛華道家の存在をはじめて知ったのは早坂暁の「華日記」でした。世阿弥や尾形光琳に匹敵する純正日本の芸術家であり、相当切っ先鋭い存在という印象でした。芸術家はいま故郷丸亀で穏やかに余生を過ごしていて、早坂との対話はまるで仙人のようです。芸術家の出生以前や祖父・鷹三郎、華道家として立つまでの経緯も寓話のような本当の話。「華日記」とあわせて読むと芸術家の肉声が立体写真のように立ち上がってくると思います。それと、なんだか大正天皇の歌に興味を持ちました。2011/03/07

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