内容説明
１４世紀、中世のイギリス。大荘園領主が支配する小さな村に、名前もなく「アスタの息子」と呼ばれる１３歳の少年がいた。母アスタの死後、ひとりぼっちになった少年が、泥棒のぬれ衣をきせられ命を狙われる。「ここを出て自由に生きろ」神父に背中を押され、ひとりで旅に出た少年。母の十字架に隠された秘密とは？自由とはなんなのか？旅の終わり、少年は自分の手で自由をつかむことができるのか！？アメリカの権威ある児童文学賞・ニューベリー賞２００３年の大賞に輝いた、ヤングアダルト小説の傑作。
著者等紹介
アヴィ［アヴィ］［Ａｖｉ］
１９３７年生まれ。アメリカ在住。脚本業ののち、息子の誕生を機に児童・青少年向けの小説を書き始める。５０冊にのぼる著書は、アドベンチャー、ミステリー、ファンタジー、ゴースト・ストーリー、童話など幅広い分野にわたり、多くの国々で出版されている。『シャーロット・ドイルの告白』（偕成社）『星条旗よ永遠なれ』（くもん出版）でニューベリー・オナー賞を受賞。２００３年、『クリスピン』にてニューベリー賞・大賞を受賞する
金原瑞人［カネハラミズヒト］
法政大学教授。翻訳家。大学のゼミで創作のためのワークショップを担当
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感想・レビュー
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帽子を編みます
33
再読です。以前にも読んだはずなのに、内容を覚えていませんでした。読友さんは英語版を読んでいましたが、日本語版はカバー絵、扉絵が加藤俊章の美麗イラストなのです。時の車輪シリーズを思い出します。14世紀中世のイギリスが舞台です。母が死に、天涯孤独となった少年。自分の名も知らず、理不尽に追われ。彼は頼れる仲間に出会い、自由を求める旅を続けます。出生の秘密、執拗な追跡、仲間の使命と魅力満載です。読んでいる間は中世の雰囲気を味わえるでしょう、ジョン・ボールが出てきて、三部作らしいのですが、続編は訳されていません。2020/10/31
ワッピー
31
14世紀イングランド。農奴として貧しいながらも母と暮らしていた少年クリスピンは、母の死によって冤罪を着せられ、頼りにしていた神父も殺され、なぜ自分がこのような目に合うのかも知らず、命からがら村を脱出する。熊と名乗るジャグラーに拾われて都市に入ったクリスピンが見たものは、領主の死による後継者争い、そして百年戦争の戦費負担による民衆の疲弊から起きた社会変革の企てだった。それまで服従しか知らなかったクリスピンが自由の価値を知り、その代償を払うために奮闘する姿に涙しました。まさに「都市の空気は自由にする」ですね。2020/03/03
シュウ
10
クリスピンが村を出た後の幸運の1つは熊に出会えたこと。出生の秘密は残酷だけど、クリスピンはクリスピン。彼は彼であって、他の誰でもない。2017/02/10
つくし
8
時代背景の解説が冒頭にあるけれど、ちゃんと理解して読みたかったなぁというくらい面白い気配のある物語。冒頭の追いやられっぷりも読み応えありました。生きる指針を示す「熊」がとても魅力的。2019/12/12
reeree
8
[http://mediamarker.net/u/reeree/?asin=4763003305] 14世紀イギリスが舞台。 田舎の貧しい村で名前もなくアスタの息子と呼ばれている13歳の少年が主人公。 村の外に出た事も出ようと思った事もなく村で一生をすごすものだと思っていた少年が外の世界へ出ていろんな事を知っていく物語。 目次にあらすじが書かれていて、それでだいたい最後までのストーリーがわかる。 ストーリーはテンポよく進みます。 知識、知恵をつければ人生の選択肢も広がるんだな。2014/07/14
