出版社内容情報
<訳者からのメッセージ>
本書では,その自己心理学を現代精神分析の主要理論である対象関係論,間主観性理論,SandlerとFonagyの理論,また最近の発達心理学や神経生物学の知見などと比較あるいは関連づけることによって,自己心理学の意義を浮き彫りにしている。コフート自身の主要事例やその他の事例に沿って解説と論考がなされており,コフート自身の言葉も随所に引用されているので,本書は,自己心理学の入門段階を経た読者がコフートの考えや姿勢との対話を深めるのに適している。また,本書からは,英国や米国の精神分析における最近の動向を知る手がかりも得られる。
目次
第1章 憤怒、恥、前象徴的恐怖
第2章 目に見えない構造の確認
第3章 性的倒錯、垂直分割、心理経済的次元
第4章 Kohutの精神分析における治療プロセス
第5章 共感と間主観性論者
第6章 Kohutと内的対象
第7章 行き詰まりとエディプス:対照的な見方
第8章 統合失調症と抑うつ―断片化した自己と妨害をうけた自己
第9章 自己対象的関係についての発達神経生物学
第10章 幼年期の心的外傷に対する自己心理学的見方
第11章 精神分析的治癒についてのさらなる論考
著者等紹介
上地雄一郎[カミジユウイチロウ]
1955年高知県に生まれる。1983年広島大学大学院教育学研究科博士課程後期退学。甲南女子大学人間科学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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