内容説明
本書は、なぜ「不思議現象」を信じてしまうのかを、心理学の立場から考えてみようというものである。
目次
序章 不思議現象が開く心理学への扉
１章 予知体験の不思議―認知心理学（思考）
２章 記憶の不思議―認知心理学（記憶）
３章 影響されるこころ―社会心理学
４章 揺れうごくこころ―感情心理学
５章 検査で「自分」がわかるのか―性格心理学
６章 占い・新宗教がもつ現代的意味―臨床心理学・青年心理学
７章 子どもから見た現実と想像の世界―発達心理学
８章 脳とこころの不思議な世界―生理心理学・神経心理学
９章 科学的に検証するとはどういうことか―実験計画法
終章 心理学を学ぶ人のために
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヨミナガラ
8
“アメリカでも占星術を無批判に受け入れる傾向が広がって、問題が多くなってきたのでしょうか、〔…〕一九七五年にノーベル賞受賞者十九人を含む一流科学者百九十二名が、占星術には科学的根拠がないことを強く訴える宣言を発表したのです。この結果、アメリカでは、星占いのページをもつ多くの雑誌で、この占いは遊びであり、科学的根拠はない、とのただし書きが入るようになったそうです。これは何が根拠のある事実で何が虚構かの判断がつかない子どもにとって（大人にとっても）、有益な考え方だと思います。”2014/05/31
ワイルドストロベリー
1
不思議現象好きだが、その好きな気持ちが、作り上げてしまうこともあると納得。カウンセリングする人の人間性をテストするのは難しい。影響力は大きいから。2014/04/21
伊崎武正
1
すばらしい本だった。2010/12/02
スタビライザー
1
タイトル通り、不思議現象を信じる際の人間の心理的動向に焦点を当てて解説している。出版は10年以上前になるが、現在発売されたとしても十分に通じるだろう。心霊写真やＵＦＯ、占いや宗教など多数の項目を取り上げている。更に、子どもの現実認識の研究など様々な事例を取り上げ、分かりやすい文章で記されている。あと、この書には事例の心理学的解説だけではなく、論理的な思考を形成するためのエッセンスが詰まっており、単純に信じ込むことは勿論のこと、頭ごなしに否定する事も等しく愚かなことだと戒めている。大変に内容の濃い本だったと2009/03/03
