内容説明
スギの四寸角の柱に、一寸厚の板による壁と床、マツ丸太の梁。住まいは、荒々しくも素朴な木がむき出しの空間となり、しかしどこか端正で優しく、呼吸する家となる。そして、日本の民家は、地域の、いや人類の文化遺産。民家を再生することは、先人の知恵を未来に生かしていくこと。安藤邦廣の「板倉構法」と「民家の再生」の理念と具体が、ついにここに結実。
目次
板倉の家づくり(住まいを四寸角で考える;田園都市の木の家;里山建築論序説;森と共生するかたちの変遷;板倉の住まい;二段階方式による産直住宅の試み;置屋根と越屋根;レーモンドと利休―森を見た建築家)
民家の再生は地域の再生(民家の再生―その意義と今後の課題;風土と文化も蘇らせる、民家の再生;民家は、地域の文化遺産;先人の知恵に学ぶ―未来への可能性)
木の学校づくり(雪国の暮らしと木造校舎;地元の木・職人の技と、現代の建築技術を結びつける試み―「栄小学校」の校舎と屋内体育館)
民家の見方(日本の民家とは何か;土で囲われた住まいの系譜;民家の知恵を読み解く;縁側考―その起源と変遷をたどる;蓑をまとった住まい;茅葺きのいま、そしてこれから;南部の芝棟;小屋の風景学;日本の井籠倉―板倉構法の起源)
著者等紹介
安藤邦廣[アンドウクニヒロ]
1948年、宮城県鳴子町に生まれる。1973年、九州芸術工科大学芸術工学部環境設計学科卒業。東京大学工学部建築学科助手を経て、筑波大学大学院人間総合科学研究科教授、建築家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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