内容説明
レンブラント、フェルメール、ノーマン・ロックウェル…美術館の壁から、忽然と姿を消した傑作の数々。潜入捜査でたくみに犯人をおびき寄せ、歴史的至宝を奪還する。美術犯罪捜査に命を賭けた男と、そのチームの物語。
目次
第1部 開幕(サウスビーチ―二〇〇七年・マイアミ;歴史にたいする犯罪―二〇〇八年・イタリアクールマイユール)
第2部 来歴(捜査官への道―一九六三年・ボルティモア;鼻のつぶれた男のマスク―一九八八年・フィラデルフィア ほか)
第3部 作品群(黄金の男―一九九七年・ニュージャージー州ターンパイク;裏口から盗まれた歴史―一九九七年・フィラデルフィア ほか)
第4部 オペレーション・マスターピース(ガードナー夫人―一八九二年・パリ;未解決事件―一九九〇年・ボストン ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おいしゃん
94
本当にノンフィクション?読んで誰もがそう思う、FBI美術品専門の捜査官だった筆者の、映画のようなストーリー。盗難に遭った美術品というだけあって、一筋縄ではいかない。潜入し、犯人と取引し、身体を張って、世界の財産である美術品を取り返すさまは、まさに手に汗握る展開だ。2015/09/13
まつこ
66
『楽園のカンヴァス』を読んでから、HONZの紹介で気になって読んでみた。ノンフィクションはこれだから面白い。様々な美術品回収のための潜入捜査の状況に熱くなる。「権利章典の写本」が盗まれていたり・・・。 アメリカでは殺人事件や麻薬取引より美術窃盗は軽視されがちなようで、組織の中での苦悩もある。FBIも最近は官僚組織化してきているようだし。 最後の「日本のみなさんへ」というメッセージ、本文とは関係ないが嬉しかった。2013/07/06
サトシ@朝練ファイト
47
これは中々良かったです。アメリカだけに日本では考えられないような事もあるけどそういう事柄もひっくるめてマルを付けたいです。2014/01/09
やっち@カープ女子
47
はじめにカラーで盗品の写真が載せてあったり、翻訳も私には入りやすかった。本当にノンフィクション⁈と疑うような、まるで映画のような話にのめり込みました。アメリカにもお宝鑑定団のような番組があって、美術品を取り返すだけでなく、鑑定士の詐欺をあばく項も面白かった。主人公の本物を取り返す熱意、正義感…多くの美術品が然るべき場所に戻って本当に良かった。2013/09/16
sibarin♪
37
ノンフィクション。潜入捜査を行う為に美術の知識は勿論、相手側の心理に付け込むための心得も取得し、相手の行動何歩か先を読み交渉に入る…命を危険に晒しながらもポーカーフェースを保ち職務を全うする。精神がタフでないと参ってしまうな。前半の説明文のような所はなかなか進まなかったけど(単に翻訳物が苦手だから?)後半に入る頃には難なく読み進められた。そして人間には情がある故に、犯罪者と捜査官としてではなく普通の人として友人になれればよかったのに信頼しあった後に裏切り逮捕に至らせるのが辛いということもあるのだと知った。2015/01/11