内容説明
ハキダメギク、オオイヌノフグリ、ママコノシリヌグイ…命名された植物の真の姿を探ると意外な一面が…。
目次
第1章 ダーティー・ネーム&ビューティー・ネーム
第2章 セクシー・ネーム
第3章 ネガティブ・ネーム
第4章 ゴシック・ネーム―不吉な名前の植物
第5章 デンジャラス・ネーム
第6章 ダブル・ネーム
第7章 ハッピー・ネーム―めでたい名前の植物
第8章 番外編
さいごに 人を楽にする植物ヒトラーク
著者等紹介
藤井義晴[フジイヨシハル]
1955年、兵庫県生まれ。京都大学農学部卒業。京都大学大学院農学研究科博士課程中退。農林水産省農業技術研究所、農業環境技術研究所、四国農業試験場、独立行政法人農業環境技術研究所などを経て、東京農工大学大学院教授。農学府国際環境農学専攻国際生物生産資源学教育研究分野、生物システム応用科学府併任。博士(農学、京都大学)。専門は他感作用(アレロパシー)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tenori
19
タイトル通り。ヘンな名前を持つ植物についての由来や特性を解説した専門書。学術的な用語も使われていますが、名前を知らないだけで比較的身近にある植物が取り上げられているのと、文体に押し付けがましさがないので、楽しく学べます。興味深かったのは「アレロパシー」と呼ばれる昆虫や微生物、自分以外の植物から身を守るための臭い成分や分泌物についての記述。さらにはそういった固有の成分が我々人間の医療にかなり貢献しているということ。もの言わぬ植物の逞しさに生かされていることを改めて実感。2020/04/30
棕櫚木庵
18
『植物図鑑』(有川浩)で有名になった(のかな?)「ヘクソガズラ」を始めとする,きたない名前,きれいな名前,セクシー・ネーム・・・などなどを持つ植物を紹介した本.化学的な面はずいぶんブッキラボウである一方,文化誌的な面は弱く感じたりでいくぶん読みにくい感もあったが,著者の専門である「アレオパシー」の豊富な実例など,面白い話題も多かった.いっそのこと文化誌的な話は省略して理科的な面をもっと丁寧に説明して欲しいなぁと思ったりして.外来生物を無差別に敵視することへの疑問には同感.2022/03/08
やま
11
タイトルにあるヘクソカズラもそうですが、言われてみれば植物にも変わった名前のものが多々ある。名付けの由来から、その植物の様々な知識まで幅広く紹介されています。地道な本ですがしっかりと書かれています。2021/06/02
こつ
10
ヘクソカズラにハキダメギク、なかなかひどい名前です。ヨメゴロシ。響きが怖いです。そんなのばかりと思いきや、セクシーだったり動物の名前がついたりはたまた一文字の植物もあったり。雑草という名の草はないように人間の思惑とは別の世界で植物も植物なりに生きているようです。勝手に変な名前つけられてしまってもそんなの関係ないでしょう。2022/06/08
マイアミ
3
★★★ ほとんどの植物が初めましてだったので、名前の由来よりもその植物たちの存在そのものに感心を持った。身近に存在している植物たちがたくさんあったので、今までは何の興味もなく通り過ぎていたが、これからは多少目が向くかもしれない。主題は植物の名前だが、内容を見ていくと植生の分析が予想外に詳しく、科学的に説明されているので面白かった。その中で全編を通して出てくる言葉アレロパシー。これによって環境や農業の改善に役立てることもできるという。著者の藤井さんが別に出版している『アレロパシー』を読んでみたくなった。2020/06/06