出版社内容情報
インターネット時代におけるロングテール・ビジネスモデルの先駆けとされるAmazon.そこに公開されている書籍ランキングの順位変動の動きに注目.
内容説明
インターネット時代におけるロングテールビジネスの先駆けとされるアマゾン。本書では、そこで公開されている書籍ランキングの変動に注目。古くから知られていた「move‐to‐front規則」の考え方を、時々刻々変化する巨大な数値変動にあてはめると何が見えてくるだろうか。確率順位付け模型による分析で、ロングテールからの売上への貢献度合いや、昼夜における人びとのネット活動の様子を大胆に予測し、限られたデータから現実の社会現象を鮮やかに照らし出す。
目次
第1章 謎順位
第2章 ランキング
第3章 大数の法則
第4章 模型と現実
第5章 確率過程入門
第6章 流体力学的極限
第7章 ロングテール
第8章 長い尾
著者等紹介
服部哲弥[ハットリテツヤ]
1958年、東京生まれ。1985年、東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。現在、慶應義塾大学経済学部教授。理学博士。専門は確率論、数理物理学。とくに、くりこみ群や流体力学的極限など、相互作用する多粒子系の多粒子極限に関する数学的研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
犬こ
16
アマゾンのランキングについて、超~数理的に推測、解説している本。ランキングは一時間に一回の更新で、数百万の順位を入れ換えているようだけれども、内容が難しくて、理解からはほど遠いところです。著者の結論づけとしてアマゾンはロングテールを狙っているものでは無いとは、ちょっと驚き。2015/04/20
naimon
14
いまさらだけど凄い本を読み終えた。衝撃的。結論も凄いけど分析過程も凄い。物理と数学の先端領域。難解。「神様が作った自然」を解読する統計的手法でAmazonランキングを分析する。けど2012/8月からのアソシエイト料率変更に書籍が含まれていない、という事はこの本の結論と「現実」は違う、という事か?2012/07/26
烟々羅
12
リコメンドシステムについてちょっとモノ申し立てたくて、そのために現行の仕組み(アマゾンの実装ではなく論文)で使われてる数式は読めないといかんなと思いガイドを探していて間違えた。読みはじめてすぐ、別の話題と気づきはしたが。これくらいの話は数式語でどう書くかくらい読めないとリコメンドの論文も読めないだろうと最後までつきあった。 読み物としては、論文未満のケース説明を省き、簡潔に論旨のみを書いたほうが面白かったと思う。薄い本は誰も買わないが2012/05/06
たか
7
数式はそれほど多くないけど高校数学レベルの統計知識が無いとちょっとキツいかも2016/11/04
がっち
6
数理的なアプローチを使いながら説明してるためとっつきにくい感はあるが、面白い試みであり面白く読める。アマゾンのランキングについて基本的な原則を推論から提示し、ロングテールビジネスではないということを示唆する。前者はまぁ推論でしかないが、後者のロングテールビジネスではないということは目からうろこであった。2012/05/23