内容説明
『種の起源』を知らずして進化論は語れない。ダーウィンは「何を」「どう」説明したのか!難解な内容が理解できるように、当時の社会状況や身近な生物例を補足しながらやさしく解説する待望の書。
目次
飼育栽培のもとでの変異―変異があれば品種ができる
自然のもとでの変異―種と変種は違うのか
存続をめぐる争い―生物どうしの争いが重要
自然選択―自然選択が種を生みだすしくみ
変異の法則―変異と遺伝のしくみ
学説の難点―進化理論に不都合な現象
本能―複雑な本能も進化で説明可能か
雑種―交配できないと別種なのか
地質学的記録の不完全について―中間種の化石が見つからないわけ
生物の地質学的連続について―化石記録からわかる生物の変遷
地理的分布―生物の分布が進化の証拠に(1)
続・地理的分布―生物の分布が進化の証拠に(2)
生物の相互類縁、形態学、痕跡器官―分類・形態・発生も進化理論で
要約と結論―進化理論の論証のまとめ
著者等紹介
北村雄一[キタムラユウイチ]
1969年長野県生まれ。日本大学農獣医学部卒業。サイエンスライター&イラストレーター。深海生物、恐竜、進化、系統学などの分野を中心に執筆・制作活動を行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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手押し戦車
19
世界の科学者が集まっても、タンポポの葉っぱを一枚も作ることは出来ない。分解してタンパク質の量など成分を見ることは出来る。変化が有ると新しい種が適応して進化して行く。人も日々、生活の中で発する言葉や集まる情報は意識していないと不安や恐れの心になって行き思考まで時代の望んだ通りにされてしまう。変化とは常に自分が意識して時代に合わせて適応させて行くこと。人の心も心の起源は意識が芽生え考えやがて思考が生まれ、潜在意識に繋がり行動になる。潜在意識が種の起源を生み出している。遺伝子を操るのは無意識の領域。2015/02/28
またの名
13
専門教科書をちゃんと読まずにキャッチーな本で済まそうとするから巷のダーウィン理解は浅い、との説教に頭が上がらない。とはいえ本書は専門的になり過ぎないよう一般読者に開かれた、丁寧な解説。そもそもの話で『種の起源』の著者は種など実在しないという主張の人だった点に触れ、原著の豊富だが不明瞭な例示を原著よりも分かりやすい形に変えて説明。中間種が見つからない問題についてはダーウィンが書かなかった数学的な区別を使って、A種とB種の中間なんだからマーブルな感じの混ざったやつがいるだろう的な理解・批判の不正確さをただす。2018/03/02
CCC
6
『種の起源』が持つ主張を代弁する一冊。前提となる考え方についても前もって説明があるので、いきなり主張をぶつけられるより飲み込みやすくなっていたと思う。地道な知見と推論の積み重ねが『種の起源』の柱だということがひしひしと伝わってくる。2013/08/08
Tatsuya
5
ダーウィンの『種の起源』の解説書。『種の起源』と同じ章立てで、ダーウィンの書いた内容を現在の生物進化学・分岐分類学などを元に、わかりやすく解説してくれていてありがたい。『種の起源』に手を出す前に読んどいた方がよさげ。『ダーウィンの思想』なんかもあわせて読むとさらに背景が理解しやすいかも。2010/10/05
還暦院erk
4
図書館本。ダーウィン『種の起源』そのものを借りていたが途中で行き詰ってしまったので、入門参考書のつもりで本書を読んでみた。なんとか読了。本格的な解説書だけれど文章構成はわかりやすく、挿絵や図表もあって親切。著者のダーウィン愛も感じたし。で、原典の方は仕事クリアしてから改めて借りなおして読もうと思っている…時間切れ残念!それにしても、ガラパゴス諸島がエクアドルの島だったとは…位置も今回初めて確かめたよとほほ。50年以上生きていても、地球も生物も未知に満ちている。2016/07/19