内容説明
“おすいもの 御にざかな さしみ なべやき”と標した看板をたてかけた、八丁堀の天神小路にある「天神屋」は、元武士でわけありの小五郎が営む、小さな煮売屋である。ある晩、店仕舞いをしていた天神屋を、近所の茶屋で酔って暴れてきた旗本の赤坂源四郎ととり巻きたちが訪れた。その一人が老舗足袋問屋の倅、久太郎で、先の茶屋の支払いを実家に頼めと、仲間になぶられるのを、店を手伝いに来ていた小五郎の相棒、風来坊の徳市が見かねたことから、乱闘騒ぎとなる。久太郎は徳市の幼馴染だった。人気作家による書き下ろしシリーズ、待望の続編!
著者等紹介
辻堂魁[ツジドウカイ]
1948年、高知県生まれ。作家。早稲田大学文学部卒業後、出版社に勤務。定年退職後、執筆活動に専念する。迫真の剣戟、江戸の情緒、人の絆の描写に定評があり、今最も注目されている時代作家である。2019年、著者初の単行本『介錯人』(光文社)を刊行し、高評価を得ている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やま
85
天神小五郎 人情剣2作目 2019.06発行。字の大きさは…小。 地獄宿に町方が踏み込んだところ170両以上の金が見つかり、奉行所で没収する。この没収金を管理する与力と同心が私的に使い込んでいたことが判明します。 徳市が、幼馴染の丸屋久太郎と久しぶりに会うと久太郎は、二本差しの侍になっていたが、仕官先(?)の赤城源四郎の飲み食いの代金を父親・丸屋桂太郎に支払いをさせていた。これは……。 小五郎、徳市、老犬の角蔵と三毛猫が大活躍します。 小五郎は強いです。 次作が楽しみです。2019/09/24
とし
71
天神小五郎 人情剣「酔い待ち草」2巻。天神屋に思い立ったように顔を出す風来坊の徳市の素性が明らかに、クールな小五郎さん良いですね。2019/08/06
真理そら
41
小五郎さんが相手を説得するときの口調がなんとなく初期の市兵衛さんっぽくなってきたかも?小五郎の作る料理は美味しそうだけれど煮売屋なので料理そのものは単調で話の本筋にはかかわりがない。今回は徳市の素性がはっきりしたことと同心・錦傳之助が次巻ではレギュラー入りするかもという予感が…。悲しい父子の対面の『酔いどれ清兵衛』が印象的。2019/07/04
優希
39
乱痴気騒ぎが痛快な作品でした。2023/09/09
のびすけ
23
天神小五郎シリーズの第2弾。煮売屋を営むわけありの元武士・小五郎が関わる3つの事件。双吉の物語が胸に響いた。徳市、お千勢、老犬の角蔵などお馴染みのメンバーもいい。面白かった。2022/09/26