内容説明
引退した凄腕の宝石泥棒。リストラされ家族にすら見捨てられた銀行マン。服役していた生真面目な人斬り男。ボクサー崩れのプータロー。それぞれが悲しみと苦悩を抱えながら社会の底辺でどうにか生きていた。だが彼らは、徐々に社会的に追いつめられてゆく。環境も歴史も違う彼らは、本来ならば出会うべくもない男たちだった。だが状況が彼らを覚醒させ、そして出会いを呼ぶ。その小さな出会いが、やがて大きな雪崩となり、狂乱のドラマの幕が開く。野に臥す竜が、雨雲を呼び、天に駆け上がるがごとく、存在すら意識されなかった男たちが飛翔する。著者渾身の最高傑作がここから始まる。
著者等紹介
桑原譲太郎[クワハラジョウタロウ]
86年『新宿純愛物語』『ボクの女に手を出すな』の2作品が映画化され、鮮烈にデビュー。以後、精力的に執筆活動を展開。99年、3年の充電期間を経て、角川春樹事務所にて代表作16本を一挙に文庫化。同時に新作『シュドラとの七日間』を発表
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。