“メディア”の哲学―ルーマン社会システム論の射程と限界

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“メディア”の哲学―ルーマン社会システム論の射程と限界

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  • サイズ B6判/ページ数 506p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784757101999
  • NDC分類 361.45
  • Cコード C3036

出版社内容情報

常識的な「メディア」観の問題性を抉り出し、しりぞけた上で、それに変わる新しい「メディア」理解の構図を対置する。

内容説明

メディア論の何が問題なのか?マクルーハン、オング、ベンヤミン、キットラー、デリダをルーマンに接続し、メディア論の理路を徹底的に解明する。ルーマン理論の斬新かつ緻密な解読により一般メディア理論の構築を企てる「学」としてのメディア論の誕生。

目次

緒論 メディア論の何が問題なのか?
第1部 ルーマン以前(代表的メディア理論の概観)
第2部 ルーマン・メディア論の構図(ルーマン社会システム論のメディア論への接続)
第3部 ルーマンのマスメディア論(システム論とメディア論の併存と拮抗)
第4部 メディアの一般理論のために(ルーマン理論を内側から破る)

著者等紹介

大黒岳彦[ダイコクタケヒコ]
1961年香川県生まれ。東京大学教養学部を卒業後、東京大学理学系大学院(科学史科学基礎論専攻)博士課程単位取得退学。1992年日本放送協会に入局(番組制作ディレクター)。退職後、東京大学大学院学際情報学府にて博士課程単位取得退学。明治大学情報コミュニケーション学部助教授。専門は哲学・情報社会論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

hitotoseno

9
ルーマン研究書としてはこれ以上ないと思われるほど精密で、かつ重要なところを繰り返し銘記してくれるため迷子になることがまったくない。そしてまだまだ社会学の古典に過ぎないルーマンをメディア学の方へと開放し使い倒すという点で、おそらく本邦で唯一の試みではないかと思われる。とはいえ末尾で展開されるルーマン批判は正直当たっているか疑問符がつくし、ルーマンが見出し得なかったインターネット時代のメディア論としても(著者があくまでこれは「序論」であると断っているにしても)不満が残る。2017/10/27

Ecriture

7
労作。メディア論を学問の域にまで高めた初にして唯一の書と豪語するだけはある。主にイニス、マクルーハン、ベンヤミン、キットラー、デリダを読み解き、整理し、ルーマンに引き継いでさらにそこを越えていこうとする試み。ルーマンに費やされた硬質ながらも明快な300ページはルーマン入門書としても優れている。体系的に読む、書くという行為がいかに難しく尊いものか考えさせられる。ここまで読み込んでもこの本への批判も少なからずあるようだ。ただし私のような浅学の徒は当分頭を垂れることしかできそうにない。2009/05/05

non

4
久々に再読。メディア論の先鞭をイニスに置き、メディア理論史をルーマン以前/以後に区分している。イニスを先鞭に置いているのは、社会の構成単位をコミュニケーションに置くルーマンへの接続を狙ったものだろうが、このメディア理論史からルーマンへの接続、そして、晦渋で知られるルーマンへのメディア論的なアプローチ、解読は見事で鮮やかである。ただ、著者自身メディアのマテリアリティに関して留保しているとはいえ、ルーマンから帰結する汎メディア主義には議論の余地が残ろう。2013/07/27

たろーたん

1
ルーマンの所が複雑で挫折してしまった。著者の本意ではないと思うのだけど、先行研究のところが一番面白かった。メディア論としての小包の比喩を覆すデリダや、メディアは現実を映すとされているけど、それさえもシミュラークルの乱舞・継起であり、真実化は分からないとするメディア論の極北としてのボードリヤールとかすごい面白かった。2021/04/19

shota_f

1
イニス、マクルーハンからルーマンまでのメディア論の流れを整理できた。メディアと社会システムの関係についてもっと知りたいと思った。2015/02/24

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