出版社内容情報
イタリア美術における保存修復は、その歴史の厚みと作例の豊富さにおいてパラダイム的な意味をもつ。修復家、科学技術官、学芸員、美術史家たちの協力と対立。コレクターや公衆の趣味。スポンサーの思惑とマスメディアの戦略。現代美術におけるメディウム保存上の困難。保存されるべき加筆と除去しがたい補完。これらの重層性と競合のなかで、〈保存修復の哲理〉を問いただす論争の書。
覚書/謝辞
第1章 起 源
第2章 前 提
第3章 基準化と方向づけ
第4章 ドキュメンテーション
第5章 芸術と科学
第6章 修復家
第7章 フレスコ画
第8章 技 法
第9章 裏打ちと基底材
第10 章 シノピアと洗浄
第11章 さらに洗浄について――顔料、現代美術、フレスコ画
第12章 彫刻の洗浄、賦彩と展示の問題
第13章 加 筆
第14章 補 完――介入の方法1
第15章 補 完――介入の方法2
第16章 ワ ニ ス
第17章 再びワニスをめぐって、ペッテンコファー法、証明の問題
原 註
訳 注
参考文献
訳者あとがき
事項索引
人名索引
剥ぎとられる歴史性と塗り加えられる解釈
美術作品の修復と洗浄という名のもとに、私たちはいったい何を獲得しようとしているのか。
絵画の修復・保存に関する必読書。歴史的美学的思想的技法的なアプローチ。
内容説明
イタリア美術における保存修復は、その歴史の厚みと作例の豊富さにおいてパラダイム的な意味をもつ。修復家、科学技術官、学芸員、美術史家たちの協力と対立。コレクターや公衆の趣味。スポンサーの思惑とマスメディアの戦略。現代美術におけるメディウム保存上の困難。保存されるべき加筆と除去しがたい補完。これらの重層性と競合のなかで、“保存修復の哲理”を問いただす論争の書。
目次
起源
前提
基準化と方向づけ
ドキュメンテーション
芸術と科学
修復家
フレスコ画
技法
裏打ちと基底材
シノピアと洗浄
さらに洗浄について―顔料、現代美術、フレスコ画
彫刻の洗浄、賦彩と展示の問題
加筆
補完―介入の方法
ワニス
再びワニスをめぐって、ペッテンコファー法、照明の問題
著者等紹介
岡田温司[オカダアツシ]
京都大学総合人間学部教授
喜多村明里[キタムラアカリ]
兵庫教育大学芸術系教育講座助教授
水野千依[ミズノチヨリ]
京都造形芸術大学芸術学部助教授
金井直[カナイチョク]
豊田市美術館学芸員
松原知生[マツバラトモオ]
京都造形芸術大学非常勤講師
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。