出版社内容情報
★本書は『書評空間 KINOKUNIYA BOOKLOG』にエントリーされています。
内容説明
パーソナルコンピュータを考える上で、アラン・ケイの与えた影響ははかりしれない。しかし、われわれは、彼のヴィジョンのどれほどを理解しているだろうか?本書は、彼からのメッセージと論文、それにまつわる資料、浜野保樹による評伝から、その評価を試みるための世界で初めての貴重な文献である。
目次
アラン・ケイからのメッセージ(あのころはどんな時代だったのだろうか? ほか)
アラン・ケイ論文集(パーソナル・ダイナミック・メディア;マイクロエレクトロニクスとパーソナル・コンピュータ;コンピュータ・ソフトウェア;教育技術における学習と教育の対立)
資料室(アルト;リサ;先人達の功績)
評伝アラン・ケイ(評伝アラン・ケイ―本当の予知能力とは何か)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nbhd
19
「パソコン」というビジョンを体現したアラン・ケイの論文集と評伝。ちまたには、経営者の「ビジョン」だとかリーダーの「ビジョン」とか多種多様なビジョンにあふれている。人間の、この「ビジョン」というやつが明確で強力であると、それは実現する。ぼくはこの本を読んで初めて「ビジョン」という言葉を概念として認識したわ。要するに、アラン・ケイのビジョンは現に実現しているっつうことだ。すごいな、アラン・ケイ。1977年のビジョンが、この2023年にも真に迫ってくるのだから。そのビジョンに圧倒されたよ。評伝の質もよかったよ。2023/09/02
オザマチ
9
先駆的な考えを持っていた人であるはずなのに、やたら不遇な扱いを受けているような気がするのは私だけ? 「未来を予知するのに一番良い方法は、自分で未来を作ること」なるほど。2013/11/26
nobu
4
黎明期、パーソナル・コンピュータのビジョンが明確かつ簡潔に書かれた論文。そして評伝。iPadのさらに先までのビジョンがある。至言連発でかなり価値の高い本。絶版にしておくのはもったいない。2017/01/14
たぬき
2
メタメディアとしてのコンピュータ。絵具や楽器を作るようにメディアを作る。2019/05/20
○○○ ○○
2
この人のこと全く知らなかったんだけど世界で初めてパーソナルコンピュータという概念を思いついた人でしかも「そのマシンには、スイッチもキーボードもついていない。それは、ディスプレイ以外には何もない板状のものである。手の動きを察知し、電源が入り、利用者の手の動きに従ってウィンドウが開き、情報が提示される。」これ1992年の本なのに普通にiPadのことが書いてあるよ。天才過ぎて引くわ2015/06/20