内容説明
冤罪の土壌は男社会!偏見と差別とたたかい雪冤を果たす。
目次
第1章 冨士茂子さん・徳島事件(事件;内部犯人説 ほか)
第2章 袴田秀子さん・袴田事件(事件;裁判 ほか)
第3章 桜井恵子さん・布川事件(事件;裁判 ほか)
第4章 青木惠子さん・東住吉事件(事件発生;自白の理由 ほか)
著者等紹介
里見繁[サトミシゲル]
1951年生まれ。民間放送のテレビ報道記者を経て、2010年から関西大学社会学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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fwhd8325
49
読み応えのある著作でした。取り上げられた4つの事例はいずれも注目されていた事件でした。以前は、素行や思想などからでっち上げられるケースが多くありましたが、最終章の東住吉事件のように、マスコミが主導して冤罪へ導くケースもあります。冤罪と言うことではありませんが、マスコミ主導で事件の本質が歪められるケースがあるようにも思います。正義感に燃える検事や判事などは小説だけの世界なのでしょうか。久しぶりに怒りを強く感じながら読みました。2019/07/21
だまし売りNo
34
冤罪事件を取り上げたノンフィクション。必ずしも女性にフォーカスする問題ではないとは思う。 2023/02/08
空のかなた
26
女と冤罪と、一くくりにすることには多少違和感を感じる。著者は「冤罪の陰に女あり」を実感したことを冒頭に述べている。冤罪に巻き込まれるのは男性が多いが、それを支えるのは圧倒的に母、妻、姉妹などの女性が多く、冤罪の持つ理不尽さが許せない、日本は法治国家ではなかったのかと言う強い意思を感じると。極論を言うと男性の支援者は「勝利」に拘るとも。あと、冤罪は誰にでも降りかかる可能性があるという怖さを痛感する。犯人はこいつに違いないと言う思い込みを持つ検察と悪意の偽証。簡単に証拠を捏造することが出来る時代背景が伝わる。2019/11/04
山口透析鉄
18
市の図書館本。NNNドキュメントのシリーズでも袴田事件とかは取り上げていましたね。それこそGoogle検索するだけでも一定の知識、得られるような有名な冤罪事件が多いですね。 残念ながら日本の司法の後進性は私が大学の一般教養科目で「法学」の講義を受講していた頃からあまり変わっていませんね。マスメディアのダメさ加減等はそれなりに浸透してきているかとも思いますが。 この本の題名に対する違和感を書くのも判るのですが、どうもそれも、木を見て森を見ず、の典型では?と思いますね。 何が起こっているのかを見るべきですね。2023/03/07
チェアー
11
女性というくくり方にはちょっと違和感があるのだけど、冤罪でも女性ならではの苦しみ、強さがあるのかなとも思う。徳島ラジオ商殺しは、事件の概要や再審の経緯などについて知らなかったので勉強になった。事件をでっち上げる警察・検察もひどいが、裁判所はさらにひどい。この体質は司法改革のなかでも温存されてしまっているのではないか。運よく良心的な裁判官にあたらないとだめ、というのでは司法の体をなしていないと思うのだが。2019/05/16