内容説明
のらねこだったねこ。あるひうちへやってきた。ゆっくりゆっくり「うちのねこ」になるまでのおはなし。
著者等紹介
高橋和枝[タカハシカズエ]
1971年神奈川県生まれ。教育学部の美術科で日本画を学び、文具デザインの仕事を経て、書籍の挿画や絵本創作に携わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
231
新聞に新刊の広告が掲載されていたので、読みました。高橋 和枝、初読です。 野良猫から家猫への移行期のツンデレ物語、リアルだにゃあ(=^・・^=) http://www.alicekan.com/books/post_238.html2021/07/20
馨
143
絵本。表紙の可愛さにつられて読了。元ノラネコを家猫にするのは相当時間と労力が必要で、軽い気持ちでは出来ないと思います。私は猫好きだしノラネコとも仲良くなろうとするけれど本当に何年もかかるし仲良くなれず終わる子の方が多いです。世の中の猫たちにはノラネコのままでも家猫になれても、幸せな一生を送ってほしいと思います。2021/08/01
ぶち
121
読友さんのレビューに魅かれて手に取りました。家にやってきた元野良の猫。警戒心が強くて、臆病で、敵意むき出しです。近づこうとすると、「シャーッ!」。「ねこ、ねこ。おこらないで。こわくないよ、だいじょうぶだよ」。ゆっくり、ゆっくりと"うちのねこ"になるまでの、作者の高橋さんご自身の経験をもとに書かれたお話しです。この猫が飼い主の布団に入ってくるようになったラストは、幸福感に満ちています。幸福感に包まれているのは猫だけでなく、飼い主もです。そして、読者も! 水墨画で描かれた猫はモフモフで、触ってみたくなります。2021/10/17
ちゃちゃ
111
「ねこ、ねこ…」声に出して読むと、愛おしくて切なくて、ぽろぽろ涙がこぼれてきた。のら猫を引き取って、「うちのねこ」と言えるようになるまでの一年間を描いた絵本。言葉の通じない小さな生き物は、どんなに傷ついた過去を背負っていても心の痛みを訴える術がない。どんなに愛情を注がれても、また裏切られ傷つけられるのではないかと身体が攻撃的に反応する。猫が心を開いてくれるまで、ひたすらじっと待つ。でも、待つということが愛情の証し。猫も人間も傷ついた分だけ、長い時間が必要なんだ。心が通い合うって、なんて素敵なことだろう。2021/10/30
ふう
102
猫はかわいくて、すぐに仲良くなれる?いえいえ、いろんな人がいるように、いろんな猫がいます。まして、言葉が通じないのですからわかり合うのは大変。この本の猫も外で生きていたときにつらい経験をしたのでしょう。なかなかなつかず、そばに行くと引っかいたり噛みついたり。でも、そんなとき怒るのではなく、恐がらせてごめんねと思ってくれる飼い主さんで本当によかった。猫の気持ちを考えてゆっくりゆっくり心を通わせていく様子に、こちらまで幸せな気持ちになりました。柔らかい毛ざわり、とぼけたお顔。筆使いもやさしくてほんわかします、2021/09/29